1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
TikTokは米国でのTikTok Shopを正式開始しました。昨年11月にTikTok Shopのテストリリースを行っていましたが、今回の正式リリースはTikTok内での商品検索から購入、配送までを一気通貫で提供する正式リリースとなっています。
TikTokは、これまでShopifyやAmazonの商品購入ページへリンクさせるストアフロント機能を提供していましたが、9月12日にこの機能を終了、TikTok内で商品の販売を行うためにはTikTok Shopへの登録が必須となっています。これに伴い、今回の正式開始では、これまでストアフロント機能を提供していたShopify 、WooCommerce、Salesforce Commerce Cloud、BigCommerce、Magento等の外部PFからTikTok Shopで販売できる仕組みをリリースしています。
TikTok Shopで提供する主な機能は以下4つです。
1.In-Feed Video and LIVE Shopping
フィード内のビデオやライブ配信で商品の販売が可能です。
2.Product Showcase
企業のプロフィールページに商品を表示、販売可能です。
3.Shop Tab
TikTok Shopで販売される各商品を検索〜購入できるタブに商品をリスティング可能です。
4.Affiliate Program
TikTokerに対して商品を紹介するビデオの制作を依頼、成果報酬で支払えるサービスです。
5.Shop Ads
TikTok内での販売を促進する広告プログラムです。
6.Fulfilled by TikTok
TikTokが商品の保管、ピッキング、梱包、発送を行うフルフィルメントソリューションです。
7.Secure Checkout
第三者の支払プラットフォームと連携した決済システムです。特に中国企業の個人情報取得に対する懸念から、決済にかかる個人情報は米国で保管される仕組みであることを主張しています。
TikTok Shopは主に東南アジアで急激な成長を遂げていますが、Shein・Temuのように米国のEC市場に風穴を開ける存在となっていくのか今後の展開に注目です。
参考記事:https://www.retaildive.com/news/tiktok-shop-launches-us/693404/
Amazonは、Amazonへ出店する販売事業者が、Amazon以外のECサイトや実店舗での販売においても利用できる物流サービス「Supply Chain by Amazon」を発表しました。
「Supply Chain by Amazon」は、販売事業者の製造拠点から商品在庫の受け取りから保管、国境を超えての出荷や通関手続き、顧客への配送までを一括で提供するサービスとなるそうです。
Amazonは、これまでもFBA(Fullfilment by Amazon)を通じて、商品の保管からピッキング、梱包、発送を行ってきましたが、今回の取り組みではAmazon以外の販売チャネルからの注文への対応や国際物流への対応、さらに機械学習を通じた需要予測により、最適な場所に最適な在庫を補充する在庫の自動補充機能も提供するそうです。
現在は、一部の販売事業者を対象としてテストプログラムを行っていますが、年内には米国のすべての販売事業者に提供開始、販売事業者の物流におけるコスト削減と効率化を目指していくとのことです。
eBayは、AIを活用した画像認識による出品を効率化するツールを発表しました。このツールは、出品者がeBayアプリ内で商品の写真を撮影もしくはアップロードするだけで、AIが商品情報(商品のタイトル、説明文、製品の発売日、カテゴリ、推奨出品価格、送料等)を自動生成し、出品に係る作業を大幅に削減しています。
このツールは、既にeBayの従業員向けにベータ版としてリリースされており、数カ月以内に一般公開を予定しているとのことです。
eBay は、先日商品のタイトルやカテゴリなどの最小限の情報を入力するだけで、AI が商品説明文を自動生成するツールを提供開始しましたが、米国の出品者のうち約 30% がこの機能を試し、そのうち95%がAIによる商品説明文を使用しているそうです。
Amazonも同様にいくつかの単語の入力により、商品タイトルや説明文を生成する機能を実装しており、C2CサービスやECサービスにおいてはスタンダードな機能となっていくことが予想されます。
設立年:2021年
国:米国
直近調達:25Mドル/23年9月/Series A/
累計調達金額:33Mドル
主要投資家:General Catalyst, Bain & Company, Forerunner Ventures, Inspired Capital Partners, Offline Ventures
会社HP:https://www.getduckbill.com/
事業概要(2023年9月 調達時点):
・パーソナルアシスタントサービス
・個人のあらゆる業務を代行(買い物から予約、スケジュール管理まで)
・ユーザーはアプリ上で依頼可能
・Duckbillの正社員(ギグワーカーではなく)とAIを組み合わせ応対(翌日には完了)
・beta版で数千のタスクを実行し、今後正式リリース
・月$99~のサブスクモデル
・創業者はOscar Health(2021年IPO)の元COO
調達ニュース:https://www.finsmes.com/2023/09/duckbill-raises-33m-in-seed-and-series-a-funding.html
設立年:2015年
国:スペイン
直近調達:4Mドル/23年9月/Series A/
累計調達金額:10Mドル
主要投資家:Banco Sabadell, Samaipata, Inveready, JME Ventures, Scaleup Spain Network
会社HP:http://www.caravelo.com/
事業概要(2023年9月 調達時点):
・航空会社向けサブスク導入支援
・航空会社は自社サービスにサブスクプランを組込む事が可能に
・回数券型、無制限型、特典発行型など複数のサブスクの実装が可能
・プランはカスタイマイズ可能
・導入により消費者の需要喚起、不人気在庫の売却が見込める
・高度な分析機能・セキュリティ環境によりエンプラにも対応
・20超の航空会社と協業。昨年対比2倍で成長中
調達ニュース:https://www.phocuswire.com/airline-subscriptions-caravelo-funding
設立年:2013年
国:英国
直近調達:10Mドル/23年9月/Debt Financing/
累計調達金額:82Mドル
主要投資家:Octopus Ventures, CIBC Innovation Banking, Bright Pixel, InfraVia Capital Partners, Upscale
会社HP:http://www.ometria.com
事業概要(2023年9月 調達時点):
・retail特化型のCDP/CRM
・複数データソース(購買履歴、閲覧履歴、来店履歴、返品履歴等)の一元管理が可能
・各種詳細分析(コホート、セグメント、LTV等)が可能
・クロスチャネルでのマーケ施策の設計・実行が容易
・データ分析、セグメンテーション等retailならではの切り口が特徴(LTV毎やクーポン割引率毎のABテストなど)
・導入により、客単価、リピート率、新チャネルでの売上などが向上
・投資効果も良好(ROIで430%)で、顧客数は200超
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Commerce Market Trend 2022
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