1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
Amazonは、広告事業のカンファレンスで生成AIによる商品画像の自動生成機能の提供を開始したことを発表しました。
この機能は、Amazon Adsに登録している販売事業者向けの機能となっており、商品画像を選択し、生成ボタンをクリックするだけで、その商品に適した背景が描かれた商品画像を生成できます。
生成された商品画像はプロンプトで微調整することもでき、従来の商品撮影〜編集業務を効率化する機能となっています。
生成AIの活用による商品画像生成サービスは、GoogleやAdobe等の大手からTypefaceやFlairAI、Booth AI等のスタートアップまで多くのプレイヤーが参入しています。
商品画像が多いほどCVRが向上するという結果も報告されており、商品画像の自動生成は様々なツールの基本機能として普及すると考えられます。さらに自動生成されたクリエイティブでABテスト、CVRの高い商品画像が自動的に表示されるような機能が一般化してくると予想されます。
米国物流大手のUPSが、返品物流の最適化を目指すHappy Returnsを買収する予定であることを発表しました。
Happy Returnsは、2015年創業したスタートアップで返品したい商品を店頭カウンターで渡すだけで返品が完了するソリューションを提供しています。消費者は梱包やラベル記入の手間なく簡単に返却でき、EC事業者は集荷・運搬のためのコストや無駄な梱包ゴミを削減できます。
Happy Returnsは、2021年にPayPalに買収されましたが、今回はUPSがPayPalから事業を買収する予定です。
UPSとHappy Returnsの連携により、UPS各拠点の返品カウンター化や物流オペレーションの効率化によりスムーズな返品体験・返品業務オペレーションの構築を目指すようです。
参考記事:https://happyreturns.com/blog/ups-and-happy-returns
Appleを除くGAFAMの2023年7〜9月期決算が発表されました。各社のサマリーは以下となっています。
■Amazon
売上高は1,431億ドル(前年比12.6%増)、営業利益は112億ドル(同343%増)と市場予想を上回る増収増益となりました。
事業別の売上構成比では、オンラインストア40.0%、3rdパーティー販売24.0%、AWS16.1%、広告8.4%、サブスクサービス7.1%、実店舗3.5%、広告事業が前年比25%で成長しています。
また、物流ネットワークの改善により、配送スピードの向上と配送コストの削減を実現、配送スピードの向上により、食料品・日用品カテゴリの売上増加するとの予測を強調しています。
■Alphabet
売上高は767億ドル(前年比11%増)、営業利益は213億ドル(同25%増)の増収増益を達成するも成長率は鈍化しています。
事業別の売上構成比では、検索広告57.4%、Google Cloud11.0%、Youtube広告10.4%、ネットワーク広告10.0%とYouTube広告とGoogle Cloudの成長が、売上増加を牽引しています。
■Meta
売上高は341億ドル(前年比23%増)、営業利益は137億ドル(同143%増)の大幅増益となっています。
広告需要の回復に伴い、広告売上が復活、売上・利益共に過去最高を記録しています。特に広告ではReelsの再生回数が増加、広告単価は下がっているものの広告配信量は増加、全体の広告売上増となっています。
■Microsoft
売上高は565億ドル(前年比13%増)、営業利益は269億ドル(同25%増)の増収増益となっています。
OfficeやLinkedinを有するProductivity & Business Process事業(前年比12.9%増)、AzureをはじめとするIntelligent Cloud事業(同19.4%増)、Windowsやゲーム、各種デバイスを包含するMore Personal Computing事業(同2.5%増)とB2Bソリューションが成長を牽引しています。OpenAIとの連携を競争優位として新たな各種ソリューションを発表しています。
設立年:NA
国:米国
直近調達:3Mドル/23年10月/Seed/
累計調達金額:3Mドル
主要投資家:Neotribe Ventures
会社HP:https://www.nodemy.info/
事業概要(2023年10月 調達時点):
・会員登録不要でワンクリック決済を可能にするPF
・情報(購入履歴、カード、住所など)をデバイスに保存するのが特徴
・専用のメールアドレス作成によりセキュリティ対策も実施
・一度登録すればnode対応サイトでは初回訪問でもワンクリック決済が可能
・企業は自社で顧客データを持たない分nodeアプリでのCRMが可能
・ゲスト購入の顧客割合が多いEC企業が初期ターゲット
・元Paypal従業員が創業
設立年:2020年
国:米国
直近調達:2Mドル/23年10月/Pre-Seed/
累計調達金額:2Mドル
主要投資家:Markd, Greenlight Reinsurance
会社HP:https://www.assureful.com
事業概要(2023年10月 調達時点):
・EC企業特化の一般賠償責任保険を提供
・製品(中国製含む)の欠陥によって怪我や物的損害が発生した場合などに適用
・保険料はEC事業の売上高に連動(月$26~)
・400のデータポイント(2.8万の商品カテゴリ特性、販売実績、季節性、リスク特性)をもとにAIが数分で算定
・従来はECに最適化されていなかった(年間保険料算定)
・Amazon、Walmartなどは販売者に保険加入を義務付け
・Amazon,Walmart、Shopify等主要PFと連携
設立年:2020年
国:ドイツ
直近調達:14Mドル/23年10月/Series A/
累計調達金額:14Mドル
主要投資家:ubert, DN Capital, Christian Vollmann, Mischa Rurup, Stefan Wiskemann
会社HP:https://linkr.bio/gacorhabiss
事業概要(2023年10月 調達時点):
・商品説明動画の生成AIサービス
・商品ページのURLやテキストをもとに簡単に説明動画の作成が可能
・動画は、ターゲットユーザーのデモグラやAIアバターの属性(性別、言語etc)、出力PF(amazon、etsy、youtube etc)など設定可能
・APIを活用することで大量の動画生成が可能
・分析も充実しておりABテスト等による運用も可能
・SEOの向上やCVR/AOVの向上が見込める
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Commerce Market Trend 2022
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