1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
コーチ、ケイト・スペード、スチュアート・ワイツマンを有するTapestryは、ヴェルサーチ、ジミー・チュウ、マイケル・コースを有するCapriを約85億USDで買収すると発表しました。
2022年度のラグジュアリーブランド各社の売上高は以下状況となっています。
LVMH:791.8億ユーロ(約12.5兆円)
ケリング:203.5億ユーロ(約3.2兆円)
リシュモン:199.5億ユーロ(約3.1兆円)
エルメス:116.0億ユーロ(約1.8兆円)
TapestryとCapriの6ブランドの昨年の合計売上は120億USD(約1.7兆円)、LVMH、ケリング、リシュモンに次ぐ世界4位の高級ブランドグループとなり、高級品市場の5.1%のシェアを占めるそうです。
参考記事:https://www.retaildive.com/news/tapestry-buys-capri-luxury-michael-kors-versace-billions/690496/
AmazonはPrime会員費の値上げを発表しました。年額プランは4900円から5900円へ、月額プランは500円から600円への値上げとなり、Prime会員費の値上げは4年ぶり2回目となるそうです。
現在の各国のPrime会員費と比較すると、日本の会員費はまだ低い水準にあります。
米国:139ドル(約2万円)
英国:95ポンド(約1.7万円)
ドイツ:89.9ユーロ(約1.4万円)
日本:5900円
米国では、AmazonはAmazon以外のサイトでもPrime会員特典(無料で即日配送)を利用できる「Buy with Prime」を提供しています。ECサイトは「Buy with. Prime」の導入により、CVRが平均25%向上する結果となっており、Prime加入による消費者側のメリットも向上してい流と考えられます。
米国におけるAmazonのEC市場シェアは約40%を占め、楽天をはじめ複数ECモールが存在する日本とは競争環境が異なりますが、日本でPrime会員というカードをどのように使ってくるのか、今後の戦略に注目です。
参考記事:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC061ES0W3A800C2000000/
自動配送ロボットを開発するServe RoboticsのSPAC上場が発表されました。Serve Roboticsは、Uberが2020年に買収したデリバリー企業Postmatesのロボット部門がスピンアウトした企業で、2020年よりラストワンマイルの自律走行型の配送ロボットとして商用利用を開始しています。
今年5月からは、Uber Eatsの配送に2000台の導入が決定しています。消費者は、UberEatsで注文をするとロボット配達を選択でき、ロボットが飲食店から自宅まで歩道を自律走行で移動、自宅に到着後にパスコードを入力して、ロボットの荷物ボックスを開けて、食品を取り出すことができる仕組みとなっています。
一方で歩行者がロボットを妨害したり、食品を盗もうとする事件も起きており、移動だけでなく、このような問題への対策も求められているようです。
日本では、2023年4月に改正道路交通法が施行され、一定の大きさや構造の要件を満たす自動配送ロボットは、届出制のもとで公道を走行できるようになっています。ラストワンマイルの人材不足を補う存在として、今後のロボット活用に期待したいです。
設立年:2021年
国:米国
直近調達:12Mドル/23年8月/Seed/
累計調達金額:12Mドル
主要投資家:Gaingels, Village Global, Redpoint, Industry Ventures, Canaan Partners
会社HP:https://atmosfy.io
事業概要(2023年8月 調達時点):
・体験特化型ショート動画SNS
・YelpとTiktokが融合したようなUX
・レストラン、観光ツアー、ナイトライフ、イベント等多様な体験動画
・場所情報と紐づいており、地図から近くのホットスポットが検索可能
・150ヶ国、1万都市、100万箇所、1000万動画のコンテンツ量
設立年:2014年
国:米国
直近調達:9Mドル/23年8月/Series A/
累計調達金額:32Mドル
主要投資家:Stagwell, Accel, SVA, HarbourVest Partners, 35V
会社HP:http://catchandrelease.com
事業概要(2023年8月 調達時点):
・ブランド向けUGCコンテンツ発掘PF
・ライセンス管理の徹底による法的安全性が特徴
・ブランドはコンテンツに写っている人数、ブランド数、シーンなど詳細検索が可能
・気になるコンテンツ発見時はcatch+releaseがクリエイターに連絡・交渉
・ブランドは1コンテンツの許諾申請代行で$275、別途ライセンス料を払う
・クリエイターは各種SNSをcatch+releaseに連携することでブランドにアピール可能
・これまで$20Mのライセンスフィーがクリエイターに支払われた
設立年:2012年
国:米国
直近調達:30Mドル/23年8月/Series E/
累計調達金額:153Mドル
主要投資家:Bank of Montreal, Elemental Excelerator, Wellington Management, Commerce Ventures, G2 Venture Partners
会社HP:https://trove.com
事業概要(2023年8月 調達時点):
・ブランド向け2次流通事業参入支援
・ブランドの自社2次流通PFの運営代行
・中古品の下取り、保管、修繕、値付け、出品、サイト運営などを一括受託
・売却したユーザーにはブランドギフト券を増やしロイヤルカスタマー化を促す
・REI、パタゴニア、lululemonなど大手ブランドも顧客でマーケットリーダー
・下取り対応の店舗、再販拠点となる施設の強化を行っていく
・Archive、Recurate、The Renewal Workshopなど多様なプレイヤーが存在
調達ニュース:https://www.retaildive.com/news/trove-30-million-series-e-funding/690619/
New Commerce Venturesでは、起業アイディアのブラッシュアップや資金調達、オープンイノベーション等の相談ができるオンラインオフィスアワーを開催しています!1枠30分で以下フォームから予約可能です。まだアイディアが固まっていないというタイミングでもカジュアルにご相談ください!
大久保洸平(毎週木曜日10-13時)
https://calendar.app.google/hNRASRJB2PDGEhZJ7
松山馨太(毎週火曜日10-13時)
https://calendar.app.google/GnScPtUt2quTSLGp6
皆様のご相談お待ちしています!
New Commerce Venturesでは、コマース領域の注目企業やトレンド等のレポートを定期的に発行しています。
Commerce Market Trend 2022
2022年の海外・国内のコマース市場動向、資金調達・IPO・M&A動向、2023年の注目トレンドをまとめたレポート
Commerce Startup Funding 2022
2022年に資金調達したコマース領域の海外注目企業を紹介するレポート
クレジットカードを中心とした決済システムの導入は、多くのスタートアップにとって馴染みの少ない、悩ましいテーマです。GMOイプシロン株式会社が提供する「fincode(フィンコード)byGMO」は、そんなスタートアップのサービスローンチ前後に生じる決済領域の隠れた課題を網羅的に解決し、同時に、事業フェーズの進展に伴い求められる拡張的な価値をシームレスに提供するオンライン決済インフラです。
Eコマースはもちろん、プラットフォーム型やサブスクリプション型の複雑で現代的なビジネスモデルに求められる機能・性能を、BtoC・BtoB・CtoCを問わず幅広くカバーしており、上記バナーよりオンライン上で即時アカウントを開設し、最短当日中にカード決済受付をすることが可能です(※)。
貴重なエンジニアリングリソースを削減するため、直感的なAPIやローコードコンポーネントも提供しています。
当メールを購読されている方に向けた特典もご用意がございますので、こちらからお気軽にお問い合わせください。
(※)ご利用には所定の審査が必要です。