1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
物流2024年問題に対する対策を協議する閣僚会議にて人手不足の解決を図る『物流革新緊急パッケージ』が発表されました。
対策の大きな柱は「物流の効率化」「荷主・消費者の行動変容」「商慣行の見直し」の3つとなっています。
「物流の効率化」は、物流施設の自動化・機械化や自動運転トラックの導入などによる物流DX、トラックでの運送から、より多くの貨物を一度に運べる鉄道や船舶に移行するモーダルシフト等があります。
「荷主・消費者の行動変容」は、宅配の再配達削減を目指すための店頭受取・置き配指定によるポイント還元が挙げられています。なる早での実証実験を開始、再配達率を現状の12%から24年度には6%へと半減させる目標だそうです。
「商慣行の見直し」では、荷主に対しての荷待ちや荷役時間の短縮に向けた計画作成の義務付け、その計画を策定する「物流経営責任者」の設置の義務付け等がまとめられています。
参考記事:https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202310/06butsuryu.html
クレジットカード大手VISAは、新たにコマースと決済領域のGenAIスタートアップに特化した1億ドルの投資を開始することを発表しました。
VISAは、AI技術の先駆者として1993年から決済におけるリスクと不正行為の管理をAI技術を用いて解決してきたそうです。2022 年にはリアルタイム不正監視ソリューションである Visa Advanced Authorization によって、推定 270 億ドルの不正行為が防止されたと発表しています。
今回の発表では、具体的な投資先やテーマは発表されていませんが、コマースと決済の未来を築くスタートアップへ投資するとのことで、コマース×AI領域でどのような事業が生まれてくるか我々としても今後の投資活動に注目していきたいです。
10月1日より、「広告」「PR」等の表記なく、口コミを装った商品やサービスの宣伝が規制される通称ステマ規制が開始されました。
SNS上では特にインフルエンサーが企業からの宣伝であることを明記せず、個人の感想として商品やサービスを宣伝するケースが多く、消費者保護の観点で今回の規制が導入されました。
違反した場合、消費者庁が事業者名を公表、再発防止等の措置命令を出し、措置命令に従わなければ2年以下の懲役か300万円以下の罰金のいずれかまたは両方が科されます。
規制対象は広告主であり、インフルエンサーなどの投稿者側は処分されない仕組みです。
ECサイトでは、商品購入者に対して、クーポンを対価としてレビュー依頼をする施策がありますが、このような施策は、事業者が購入者のレビュー内容・投稿内容に指示や意見等を与えない限り規制対象ではないとのことです。
参考記事:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE207AH0Q3A920C2000000/
設立年:2021年
国:米国
直近調達:35Mドル/23年10月/Series B/
累計調達金額:65Mドル
主要投資家:8VC, Founders Fund, Index Ventures, 9Yards Capital, Expa
会社HP:https://loop.com
事業概要(2023年10月 調達時点):
・荷主向け輸送費用最適化SaaS
・輸送に関する契約・請求書等の情報(紙、PDF、PNG、JSON..)をAIを用いて一元管理・分析
・契約と実費との整合性のチェックや支払いの自動化が可能
・従来マニュアル業務ゆえ20%は請求書に誤りがある
・輸送に関わる財務データを統合分析、最適化により費用・時間を削減
・2-7%の輸送費削減、バッククオフィス業務が約2倍効率化
・元uber、flexportのメンバーで創業
設立年:2017年
国:米国
直近調達:58Mドル/23年10月/Series B/
累計調達金額:NA
主要投資家:Manzanita, Demira GateUpper90,Antler, Alliance Consumer Growth, Puig, CMIA Capital Partners
会社HP:https://superordinary.co/
事業概要(2023年10月 調達時点):
・欧米ブランドのEC成長支援
・中国進出・運営代行・ソーシャルEC活用が特徴
・顧客(年$10M以上CPG中心に200社)の半数は中国進出(独占代理店)
・18カ国、650人に従業員規模で300人は中国(ライブコマース運営会社の最大規模)
・自社インフルエンサー、ソーシャルEC「GalaGala」等によりソーシャルEC支援
・欧米でもAmazon、Tiktok等の運営代行(在庫買い取り型)
・昨年はfanfix(ファン向けサブスクなど)買収によりクリエイターエコノミー事業が15倍成長
・来年は売上$350M、50%成長を見込む
調達ニュース:https://techcrunch.com/2023/10/05/superordinary/
設立年:2019年
国:米国
直近調達:13Mドル/23年10月/Series B/
累計調達金額:135Mドル
主要投資家:Gaingels, Credit Suisse, FJ Labs, Bossanova Investimentos, Global Founders Capital
会社HP:http://www.kafene.com
事業概要(2023年10月 調達時点):
・lease-to-own決済PF
・消費者はKafene連携店舗においてlease-to-ownでの購入が可能に
・lease-to-ownは後払いの一種で家具や家電など高額耐久性製品の購入時に相性が良い
・BNPL同様与信スコアの低い人の購入支援ソリューション
・利用時はアンケート/過去履歴の分析により数分で審査
・最大$5000の上限、6-18ヶ月の期間。リース期間終了後所有権も取得
・2万以上のデータを活用したリスク算定モデルが特徴
・リリース後3年立たないうちに$100Mのlease-to-own契約を実現
・マネタイズはユーザーの総支払額と商品価格の差額
調達ニュース:https://www.finsmes.com/2023/10/kafene-raises-additional-12-6m-closes-30-8m-series-b.html
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Commerce Market Trend 2022
2022年の海外・国内のコマース市場動向、資金調達・IPO・M&A動向、2023年の注目トレンドをまとめたレポート
Commerce Startup Funding 2022
2022年に資金調達したコマース領域の海外注目企業を紹介するレポート
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