1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
TikTok上でのライブコマースや動画コンテンツにより商品販売ができるTikTok ShopのインドネシアのGMV(流通総額)が2023年200億ドルを超える見通しであることが発表されました。
TikTok Shopは、北米や東南アジア等の一部の地域で展開していましたが、東南アジアでは2022年のGMVは44億ドル、今年2月のオンラインモールのローンチから急激に成長を続けており、2023年はインドネシアで200億ドルを超える見通しとなっているようです。(インドネシアは東南アジアのEC流通総額の約52%を占めている)
特にTikTok上でのライブコマースが急成長をしているようで、ライバーたちを集めたライブコマース代理店が続々と立ち上がってきているようです。
一方で、TikTokは、インドでの利用禁止、米国での公職員の利用禁止や一部州での個人利用禁止をはじめ、欧米での利用禁止になる可能性も拭いきれず、東南アジアでの展開はさらに強化されていくと考えられます。アジアを代表するライブコマースプラットフォームになるか注目です。
イオンは、AIとロボティクスによる独自のフルフィルメントセンターを拠点とするネットスーパー「Green Beans」を7月10日より本格稼働しました。
このフルフィルメントセンターは、先日Amazonによる買収の噂も報道された英国ネットスーパー大手Ocadoのソリューションを利用しており、在庫管理・配送の効率化を図っています
。
注文後ロボットが秒速4mで移動、約5万品目の商品から6分間で50個の商品をピッキング。同時に配送のルート計算が始まり、配送効率化を実現しているそうです。他にも食品ならではのピッキングや鮮度管理・温度管理等の細かなチューニングが行われているようで、現在は最低購入金額4,000円〜、東京都と千葉県の一部地域でサービスを開始しています。
イオンは、これまでもイオンネットスーパーを展開していましたが、「Green Beans」は管理〜配送だけでなく、ECサイトの顧客体験も従来よりスムーズで利便性高い仕様となっています。食品のEC化率が増加する一方で、生鮮食品はその仕入・在庫管理・配送の特性から、利益を産むことが難しい構造となっています。国内のネットスーパー・グローサリーECの新しい潮流となるか期待です。
参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003882.000007505.html
Amazonは、新たなに全国11カ所に配送拠点となるデリバリーステーションを開設することを発表しました。
今回の新設により日本国内のデリバリーステーションは50カ所を突破、栃木県、群馬県、富山県、山梨県、静岡県、奈良県、岡山県は初の配送拠点となるそうです。
デリバリーステーションの増設により、「翌日配送」の対象地域が拡大され、再配達率の削減も期待されています。
現在Amazonは、ラストワンマイルの配送プログラムとして、個人事業主ドライバーへ業務委託する「Amzon Flex」、地域の配送事業者に委託する「デリバリーサービスパートナープログラム」、地域の中小企業が副業として配送を請け負う「Amazon Hub デリバリー」の3つの配送プログラムを提供しています。
デリバリーステーションを拠点として、配送会社経由ではなく自社管轄の配送サービスを増やすことにより、従来対応できなかった「置き配」の対応エリアが増加、再配達率の削減が期待されます。
2024年問題を目前に再配達の削減が叫ばれる中で、置き配が浸透する一歩になるか注目したいです。
参考記事:https://ecnomikata.com/ecnews/39656/
設立年:2012年
国:米国
直近調達:11Mドル/23年7月/Series A/
累計調達金額:36Mドル
主要投資家:ff Venture Capital, Feenix Venture Partners LLC, KEC Ventures, Tech Pioneers Fund, Lead Edge Capital
会社HP:https://www.gooten.com
事業概要(2023年7月 調達時点):
・プリンドオンデマンドのプラットフォーム
・事業者はgootenを利用することでオリジナル商品のEC事業展開が可能に
・shopify、bigcommerce等主要カートとAPI連携可能
・Tシャツ、マグカップ、アクセサリー、ベビー用品など多様な商材250種以上を取り扱い
・受注生産型で在庫リスクはなく世界中に販売可能(90工場と連携)
・Fortune100の小売からクリエイター、独立ブランドまで1万以上の多様な事業者が顧客
・米国以外のエリア(アジア、南米、EU)などに進出予定
調達ニュース:https://www.citybiz.co/article/437803/gooten-raises-11-million-series-a-led-by-kec-ventures/
設立年:2019年
国:米国
直近調達:6Mドル/23年7月/Seed/
累計調達金額:8Mドル
主要投資家:Vinyl Capital,Pari Passu Venture Partners,Y Combinator, Dynamo, BAM Ventures, Amity Ventures, Very Great
会社HP:https://www.factoredquality.com/
事業概要(2022年2月 調達時点):
・ブランド向け品質管理サービス
・ブランドと世界中の品質管理の検査員をマッチング
・ブランドは世界中の自社取引先の工場や倉庫の検査・検査を簡単にアウトソーシング可能
・システム上から監査の自動化、個別チェックリストの作成、自社DBとの統合等が可能
・100以上のブランドが顧客。2000以上の検査員ネットワークを保有。
・不良品や配送ミスなどの削減に繋がり顧客のCanopyでは$70kの、Halfdaysでは$130kのコスト削減を実現
設立年:2017年
国:カナダ
直近調達:13Mドル/23年6月/Series A/
累計調達金額:16Mドル
主要投資家:Hum Capital, FJ Labs, AlleyCorp, Aakrit Vaish, Interplay
会社HP:https://boxhub.com
事業概要(2023年6月 調達時点):
・輸送用コンテナのマーケットプレイス
・オンライン完結のUXが特徴(決済から配送まで実施)
・ドアや窓のカスタマイズや、温度帯や老朽化具合での検索が可能
・用途としては輸送用に加え、toCではストレージ、住居用などもある
・NASAやGEなども本マケプレを用いてコンテナを購入
・輸送業者は空のコンテナの再配置に$20Bに及ぶコストを投下(人気の行き先ではコンテナが過剰になるため、そのコンテナを再度使用するには赤字でも他のエリアに再配置することが必要)
・コンテナ過剰地域での本マケプレによる現地売却を通じて再配置問題の解決を目指す
調達ニュース:https://betakit.com/shipping-container-marketplace-boxhub-raises-12-4-million-for-global-expansion/
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Commerce Market Trend 2022
2022年の海外・国内のコマース市場動向、資金調達・IPO・M&A動向、2023年の注目トレンドをまとめたレポート
Commerce Startup Funding 2022
2022年に資金調達したコマース領域の海外注目企業を紹介するレポート
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