1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
先日英国のネットスーパー大手Ocadoの買収を検討している企業の1社としてAmazonの名前が報じられました。
Ocadoは、CFC(Centerlized Fulfillment Center)と呼ばれる自動化した巨大倉庫とスポークと呼ばれる中継拠点による独自の物流ネットワークを構築、注文から配送のオペレーションを自動化することで、都市圏を中心に効率的なネットスーパーを提供してきました。2000年の設立以降、オペレーションの効率化を進め、2010年にロンドン市場へ上場しています。
Ocadoは、子会社Ocado Solutionsを通じて、自社開発の自動倉庫技術を米国のKrogerや日本のイオングループなど各国を代表するスーパーチェーンに提供しています。先日はShopifyが2019年に買収した倉庫向けの自律走行ロボットを開発する6 River Systemsを買収、自動倉庫技術の強化を図っています。
Amazonによる買収の真偽の程は定かではありませんが、既に多くの大手スーパーへ自動倉庫技術を提供しているOcadoとAmazon Roboticsの融合により、自動倉庫技術のさらなる強化、その技術の外販へ拡大する可能性はあるのではないでしょうか?
Shopifyは、国内のエンタメ業界の企業向けにコマースを起点としたDX支援プログラム「Shopify Entertainment Program」の提供を開始したと発表しました。
このプログラムは、エンタメ業界のコマースビジネスに実績のあるパートナー企業がこれまでのノウハウやサービスを活かして、エンタメ業界の商品やデジタルコンテンツの企画・販売から、ファンエンゲージメント、注文管理、配送までをトータルサポートするソリューションを提供するそうです。
特にYouTubeやTikTokとの連携機能やNFT等のエンタメ業界と親和性の高いソリューションを通じて、IPやインフルエンサーを活用したコマースを支援していくとのことで、IP物販・デジコン販売でのクライアント獲得を強化していくようです。
参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000112.000034630.html
飛驒産業株式会社、カリモク家具株式会社、株式会社アクタス、フランスベッド株式会社等の家具メーカー16社、販売10社、物流会社など9社の計35社により、家具のリユース・リサイクル・環境対策を目指す業界団体「家具インテリアリサイクル&リニュー協議会」が設立されました。
協議会内には4つのワーキンググループがあり、環境負荷の少ないサプライチェーンの構築とサーキュラーエコノミーの実現を目指していくそうです。
リソーシング:家具産業での資源循環のループを繋ぐ体制と再資源化促進への研究開発
長期愛用・リニュー:家具の長期耐用性を向上する修理メンテナンスも含めた仕組の構築
Zeroカーボン:2050年実質ゼロカーボンへ向けた研究開発と取組み推進
再生デザイン:環境性能評価の研究による環境にやさしい家具開発の推進
6月からは既にスプリングマットレス回収の実証実験も開始しているそうで、共同での不要家具の回収、分別・解体、マテリアルリサイクルの効率化を目指していくそうです。
参考記事:https://www.commercepick.com/archives/37412
設立年:2017年
国:米国
直近調達:24Mドル/23年6月/Series B/
累計調達金額:35Mドル
主要投資家:Matthew Hertz, Sarah Scharf, Thrive Capital, Elad Gil, Matrix Partners
会社HP:https://www.parabola.io
事業概要(2023年6月 調達時点):
・EC関連バックオフィス業務の効率化・自動化SaaS(iPaaS)
・PDF・テキスト・画像、各ツールのAPIなど50超のシステムを統合しドラッグアンドドロップでワークフローの作成が可能
・顧客はSonos、FlexportなどのEC・小売り・CPG・物流関連の企業中心の500社超
・現在30名で調達資金は開発、及び、新たな産業への進出に投資
・本ラウンドでflexport、Harry’s,Allbirdsなどの創業者が参画
調達ニュース:https://techcrunch.com/2023/06/28/parabola-workflow-automation-startup/
設立年:2022年
国:米国
直近調達:100Mドル/23年6月/Series B/
累計調達金額:165Mドル
主要投資家:Google Ventures, Madrona, Lightspeed Venture Partners, Salesforce Ventures, Menlo Ventures
会社HP:https://www.typeface.ai
事業概要(2023年6月 調達時点):
・ブランド向けクリエイティブ生成AI
・「30代女性向けのりんごジュースのブログを書いて」などの指示で画像・テキストを生成
・ユースケースはブログ・instagramAd・採用ページ・LP作成など多岐
・ブランド固有のテイストの反映やデータの安全性・ガバナンスの高さが特徴で大企業にフォーカス
・マーケテイング×生成AIだけでもMovio, Copysmith, Copy.ai, Sellscale, Jasper, Omneky,Regie.aiなど競合ひしめく
・Adobeの元CTOにより創業
・今回の調達でユニコーン($1B)に
設立年:2020年
国:米国
直近調達:60Mドル/23年6月/Series C/
累計調達金額:443Mドル
主要投資家:Gaingels, Visa, Clearco, JP Morgan, PayPal Ventures
会社HP:https://www.cart.com
事業概要(2023年6月 調達時点):
・EC事業者向けone-stop支援事業
・「Fulfillment&Logistics」「Commerce Software」「Commerce Service」と3ラインで幅広い業務支援を行う
・過去7社のEC支援会社買収により機能強化
・22年売上はYOY6倍、GMVは2倍($5B)
・顧客数は6000ブランドに到達
・今回の調達でユニコーン($1.2B)に
調達ニュース:https://thepaypers.com/payments-general/cartcom-raises-usd-60-mln-in-series-c-funding–1263198
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開催概要
日時:2023年7月5日(水) 11:00-12:00
会場:オンライン(Zoom)
費用:無料
共催:株式会社バンカブル、三菱UFJニコス株式会社
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