a16z・Founders Fundが出資！誰もが自分のブランドをつくれるプラットフォーム「Pietra」

こんにちは、New Commerce Ventures松山です。
先日ソーシャルコマースを支援するソリューションを紹介しましたが、今回は誰もが簡単にオリジナルブランドを開発〜販売できるスタートアップ「Pietra」を紹介します。

Pietraは、商品開発やデザインの知識がなくても簡単にアパレルやコスメ等のオリジナルブランドを開発〜販売できるプラットフォームです。

インフルエンサーのオリジナルブランドは年々増加していますが、オリジナルブランドの開発には、OEMメーカーの探索から条件交渉、デザインの作成、小ロットでは発注できず在庫を抱えたり、梱包〜配送業務に追われるなど個人で運営するには大きな負荷があります。

これらの業務を代行、支援するコンサルティング企業も多く存在しますが、このようなソリューションを活用できるのは一定の売上が期待できる人気インフルエンサーに限定されています。

Pietraは、アイテムのデザイン、OEMメーカーの探索〜発注、ECサイトの開設からマーケティング、受注後の梱包〜配送までワンストップで支援するプラットフォームを提供することで、これらの負荷を削減、人気インフルエンサーに限らず、全てのクリエイターに対してブランド開発の民主化を提供しています。

今回は、そんなソーシャルコマース時代のインフラとなり得るPietraの事業内容をまとめてみました。

誰もが自分のブランドをつくれるプラットフォーム

Poetraは、元Uber PoolののPMだったRonak Trivediによって2019年に設立されました。当初は消費者とジュエリーデザイナーをマッチング、好みのジュエリーの制作依頼ができるマーケットプレイスを開発していたそうですが、より大きな市場を狙うため、インフルエンサーがオリジナルのジュエリーやアパレルの制作依頼ができるプラットフォームへピボットしています。

その後、配送やストアフロント、マーケティング等の機能を拡充、現在は約1300社のサプライヤーを束ね100,000人以上がブランドオーナーとして利用しているそうです。投資家にはa16zやFounders Fundが名を連ねており、2022年のGMVは前年比100倍、売上は前年比35倍と急成長しているようです。

Pietraの主要機能は以下となっています。

①デザイン

AIを用いてアイテムやロゴのデザインが可能です。アイテムのデザインは、参考アイテムの選択からの生成に加え、テキストからの生成、画像やスケッチからの生成も可能です。

②製造

25のアイテムカテゴリからサプライヤーを検索、価格や最小ロット数等の条件を満たすサプライヤーに対して発注できます。サプライヤーの説明欄にはサプライヤーがどのようなブランドからOEMを受託しているかが記載されており、NikeやRalph Lauren、GUCCI等の有名ブランドも並んでいます。

サプライヤーに対してはチャットで依頼・相談でき、さらに複数サプライヤーに依頼した際の請求・支払業務はPietraで一元化されるため、作業量を軽減できます。

③フルフィルメント

製造したアイテムの保管、梱包、配送を行ってくれるフルフィルメントサービスを依頼できます。返品プロセスを自動化するソリューションも提供しています。

④ストアフロント

オリジナルブランドのECストアを開設できます。Pietraのストアだけでなく、Shopifyでストアを構築し、Pietraと連携することもできます。

また、Printfulと連携、既製品の出人のみをカスタマイズしたオンデマンドプリント・受注生産型ショップの立ち上げも可能です。

⑤マーケティング

Klabviyoのようなメールマーケティング・SMSマーケティングの管理ツールやインフルエンサーに対して、商品宣伝をオファーできるアフィリエイトツールを提供しています。

また、Amazon、TikTok Shopへの出店もでき、一般的な販売促進をカバーしています。

⑥分析

注文件数や売上の推移だけでなく、LTV・リピート率・返品率等のKPI、コホート分析やチャネル単位・商品単位の分析等PDCAに必要な分析項目を網羅しています。

このようにオリジナルブランドの商品開発から販売、配送までをワンストップで運営できるプラットフォームとなっており、ブランド開発〜販売まで通常数ヶ月かかる作業を1〜2ヶ月で完遂することができます。

さらにPietraの料金体系は各機能毎の月額料金とサプライヤーとの取引額に対する3％の手数料となっていますが、各機能毎の月額料金は組み合わせて利用することで他社のツール・ソリューションよりも安くなる設計となっており、時間だけでなく金銭的コストも削減することができます。

また、各機能毎の管理画面で目立つ点は、オンボーディング体制の充実です。動画でのチュートリアルやマニュアル、ECスペシャリストとの1on1、専門家によるワークショップのようなオンボーディング体制が整備されており、ECリテラシーの低いインフルエンサーの利用と継続を促進しているようです。

実際に販売しているインフルエンサーもフォロワー数の多い著名インフルエンサーだけでなく、数千〜数万単位のマイクロインフルエンサーも多く、フォロワー数は少なくても深いファン・コミュニティを抱えているインフルエンサーのグッズが売れているようです。（国内を見ていてもこの傾向はますます高まっていくと感じています。）

このようにPietraは、高品質なOEMメーカーと短時間・低コストでブランドを開発できるという価値を提供、そして、マーケティング機能とそれをワークさせるためのECスぺシャリストの1on1コンサルにより実際に売れる状態を作るという循環を構築していると考えられます。

（一方で米国のレビューサイトでは、サプライヤー側の素材・色味の不備等不満の声も多く書き込まれており、サプライヤーの管理・品質向上にはまだ課題があるのかもしれません。）

国内でもインフルエンサーのオリジナルブランド開発を支援するソリューションやコンサル企業が存在しますが、フォロワー数の多い人気インフルエンサーだけでなく、マイクロインフルエンサーの商品が売れる仕組みを構築する余地はまだあるのではないかと感じます。

今後この領域に挑戦する方がいれば是非ご連絡いただければと思います！

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— 松山馨太＠New Commerce Ventures (@KTMY0507) February 13, 2024