こんにちわ!New Commerce Ventures大久保です。
直近気になった成長しているコマーススタートアップについて5つpickしてご紹介します!
簡単にはなりますがpickした背景と会社概要をお話します。
1社目はEC向け会計システムのFinaloopです。
「散らばったデータを一元管理する軸」と「既存システムをバーティカルで抜き出し最適化することで差別化する軸」の掛け算のテーマとなっており、日本国内でも国内特有のチャネル、ツールが存在し応用可能な切り口です!コマースに限らず他領域でもアナロジーの効きやすい軸です。
設立年:2019年
国:米国
直近調達:35Mドル/24年6月/Series A/
累計調達金額:52Mドル
主要投資家:Aleph, Operator Partners, Accel, Lightspeed Venture Partners, Vesey Ventures
会社HP:https://www.finaloop.com
事業概要:
・EC事業者向けone-stop会計システム
・既存のQuickBooks、NetSuite、Xeroなどは複数チャネルを運営するEC事業者にとって不便
・Finaloopは複数チャネル対応(Amazon、Walmart、Tiktok、Shopify…)の全取引データを一元管理
・事業構造の可視化、会計(PL、BS、CF)、在庫管理等を行い、管理のみならず需要予測機能も有する
・主に中小規模のEC事業者を対象
・マネタイズはGMV規模に応じて課金(ex.年$10Mで月$1000の金額感)
・顧客数は昨年比5倍の数千社に到達し$13BのGMVを扱っている
・PwCを経てD2C起業を経た起業家が創業
調達ニュース(2024年6月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/06/17/from-sperm-freezing-to-accounting-tools-finaloops-founder-scores-35m-to-solve-e-commerce-retailers-bookkeeping-headaches/
2社目はサプライチェーンOSのCargoSenseです。
サプライチェーン領域においても一元管理による可視化は進んでおり、CargoSenseのように、コールドチェーン対応等の特定ユースケースに強みのあるプロダクトや、IOTデバイスとのデータ連携により今までトレースしていなかったデータに対応することによる差別化など、サプライチェーン可視化でも様々な切り口が生まれています!テーマとして大きく日本でも注目領域です!
設立年:2012年
国:米国
直近調達:8Mドル/24年6月/Series A/
累計調達金額:18Mドル
主要投資家:J. Hunt Holdings, IrishAngels, Argonautic Ventures, Virginia Venture Partners, Mentors Fund
会社HP:http://cargosense.com
事業概要:
・サプライチェーンの管理OSを提供
・各種データソースと連携(APIやERP、IoT(温度や位置管理)等)し、個別の出荷物単位で工程を可視化し“Digital Twins”を作成
・可視化したデータはAI活用の“Digital Agent”で分析し業務の自動化、最適化に繋げる
・可視化により配送会社等パートナーがより忠実に業務遂行する効果も
・製薬大手のMerkが出資。配送網を箱単位で可視化、サプライチェーン分析の自動化、最適化に取り組んでいる
調達ニュース(2024年6月 調達時点)
https://finance.yahoo.com/news/cargosense-raises-8m-series-accelerate-140000291.html
3社目はファンダムアプリのStanlyです。
前職でファンコミュニティアプリのFaniconに出資していたこともありこの領域は注目しています。今回Stanlyはシード調達ということなので、プレイヤーが一定存在する印象のある本領域でどのようにビジネスモデルを再構築していくのか注目です!
設立年:2022年
国:米国
直近調達:8Mドル/24年6月/Seed/
累計調達金額:8Mドル
主要投資家:AppWorks, Palm Drive Capital, Goodwater Capital, C Capital
会社HP:https://www.stanlyapp.com/
事業概要:
・ファンダム向け交流アプリ
・ファンダム内の限定コンテンツ、ファン同士の交流、artistとの1on1トーク、チケット/グッズの販売、クイズや紹介によるランク制/リワードなど様々な機能を提供
・24年2月にベータ版リリースされ20万人が利用中
・テイラー・スイフトやビヨンセ、BTSなど50のファンダムが作成され300のファンダムが制作待機中
調達ニュース(2024年6月 調達時点)
https://www.prnewswire.com/news-releases/stanly-raises-8-million-in-pre-series-a-round-aims-to-revolutionize-fandom-experience-302170422.html
4社目は生成AI検索のDaydreamです。
生成AIを活用した購入体験のあり方はテーマとして注目しており、大手含め多数のサービスが対応してきています。その中で、コマース領域で実績のある経営陣が立ち上げたのがDaydreamです。シードで著名VCからも調達しており秋に控えるβ版リリースが楽しみです!
設立年:2023年
国:米国
直近調達:50Mドル/24年6月/Seed/
累計調達金額:50Mドル
主要投資家:Google Ventures, Index Ventures, True Ventures, Forerunner Ventures
会社HP:https://daydream.ing
事業概要:
・GenAI活用のショッピング検索エンジンを開発中
・言語と画像を通じた対話式の購入体験を提供予定
・例「沖縄での結婚式で着る服探している」→AI提案→「この画像(upload)みたいにもう少しカジュアルで黒がいい」→AI提案→・・
・ファッションを中心に開発しており既に2000ブランド超をオンボード済
・秋にβ版を提供予定
・大手ECやTrue Fit、Remark、cherry、Deftなど競合も多い中で、UI/UXが差別化になると考えている
・現在23名で年内に35名にしていく方針
・ビジネスモデルはメタサーチモデルでフルフィルは行わない方針。中期的に検索エンジンのSaaS提供は検討
・Stich Fix元COOであり直近はThe Yes(PinterestにExit)を創業した起業家が、マイクロソフトやグーグルのAIエンジニアと創業
調達ニュース(2024年6月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/06/20/former-stitch-fix-coo-julie-bornstein-secures-50m-to-build-a-new-age-e-commerce-search-engine/
5社目はピックルボールフランチャイズのThe Picklrです。
店舗ビジネスのような実業をテクノロジーやM&Aを駆使して再構築していく試みにNCVとしても注目しています。PICKLRは成長スポーツに着目し、テクノロジーを駆使し、また、資本業務提携により業界のポジションを強固にしている点が興味深いです!
設立年:2021年
国:米国
直近調達:9Mドル/24年6月/Series B/
累計調達金額:9Mドル
主要投資家:Pickle-ball
会社HP:https://thepicklr.com
事業概要:
・ピックルボールのフランチャイズ事業
・ピックルボールの全米における競技者はシニア層含め幅広く1360万人存在し4年で223%増加
・約2万円/月の会員費でプロレベルの最新施設を利用可能(コート予約、レッスン受講、リーグ戦参加、グッズ購入、AIテクノロジー利用など)
・過去12ヶ月で300のフランチャイズ店を展開、25年には72拠点でオープン予定で上旬には全米32の州で展開
・グッズ販売、大会運営、メディアなど多様な事業を営む世界最大のブランドPickleball.incが資本参加。協業により成長を加速
調達ニュース(2024年6月 調達時点)
https://www.prnewswire.com/news-releases/the-picklr-indoor-pickleball-franchise-closes-series-b-funding-with-59-million-valuation-302178194.html
お読みいただき有難うございました!今回ご紹介したFinaloop、CargoSense、Stanly、Daydream、The Picklrのような事業を検討されている方いらしゃればぜひDMかオフィスアワー等でお気軽にご連絡ください!
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https://newcommerce.ventures/news/1354/