1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。New Commerce Venturesでは、コマース領域のスタートアップを支援しています。資金調達やアイディアの壁打ちは、メールもしくは大久保・松山のTwitterまでご連絡ください。
AWSのAPI経由でアクセスできるGenerative AIアプリケーションAmazon Bedrockを発表。Bedrockは、AI21 Labs、Anthropic、Stability AIに加え、Amazon独自のモデルである Titan FMが利用でき、テキスト・画像の自動生成に活用することができます。同日コード生成用のGenerative AIソリューションCodeWhispererも発表され、マーケティング・プログラミングの双方でGenerative AIに参入しています。
Bedrockのユースケースとしては、ファッションブランドでの広告とキャンペーンコピーを自動生成に触れられており、過去のキャンペーンを基に実績の良いコピーやトンマナを生成する使用方法を説明しています。国内では大手広告会社も独自のAI研究やバナーの自動生成がすでに取り組まれており、先日のMetaの広告作成用のGenerative AIと同様にマーケティング領域での大手の競争は加熱していくと思われます。
参考記事:https://techcrunch.com/2023/04/13/with-bedrock-amazon-enters-the-generative-ai-race/
フィギアメーカーのハズブロは2022年末までにプラスチック製パッケージを廃止を宣言、段階的に透明なプラスチックのパッケージがない製品を販売してきましたが、売上の減少や不正の増加が見られ、植物性由来のプラスチック・リサイクルプラスチックの利用を再開するそうです。
直近では環境対策として、紙や木等の天然の素材・パッケージを重視する傾向にありますが、廃棄されたプラスチックの再利用、バイオプラスチックの実用化も進んでいます。バイオプラスチックでは、植物や食品廃棄物等の有機資源を原料とするバイオマスプラスチック、微生物等の働きで最終的に二酸化炭素と水にまで分解する生分解性プラスチック技術のスタートアップも続々と誕生しており、エコな素材の定義も変わってきそうです。
参考記事:https://www.packagingdive.com/news/hasbro-toy-plastic-window/647406/
イオンモールと共に地域社会や暮らしの課題解決を行うパートナーとの連携強化を目的としたCVCファンド設立。主に以下5つの領域のスタートアップへ出資〜共創を図っていくとのことです。
・社会や地域が抱える課題の解決につながる事業の創出
・当社が保有、管理する不動産ストックを活用した新規事業の創出
・同友店が営む店舗の高度化支援
・商業施設運営の高度化や新たな体験価値の創造
・既存の枠組みを超えた次世代型施設の創出
4月11日に開催された決算発表では、新たなビジネス創出の取り組みとして、商業施設と住居が一体となった未来の地域都市を開発するマリモ社との資本提携、2024年に向けた出店企業との連携した共同配送サービス、そして、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズとのCVC設立が発表された。これまでもSC業界の首位として多くのDX・SXの取り組みを行ってきたイオンモールが、どのようにスタートアップ連携するのか楽しみです。
参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000097774.html
設立年:2019年
国:米国
直近調達:25Mドル/23年4月/Equity,Debt Financing/
累計調達金額:37Mドル
主要投資家:Kotti Capital, Alumni Ventures, The Fund, FJ Labs, Liquid 2 Ventures
会社HP:http://www.staytuned.digital
事業概要(2023年4月 調達時点):
・shopifyアプリのロールアップ企業
・売上向上アプリ、単価向上アプリ、ロイヤリティアプリなど9アプリを提供
・これまで7社を買収
・顧客数は2.9万超で、EBITDAは黒字化
・equity$9M、debt$25Mの調達ラウンド
・2020年に動画サービスからピボット
調達ニュース:https://techcrunch.com/2023/04/06/staytuned-software-e-commerce/
設立年:2022年
国:米国
直近調達:200Mドル/23年4月
累計調達金額:200Mドル
主要投資家:Blackstone Group, Juxtapose
会社HP:https://www.kite.co
事業概要(2023年4月 調達時点):
・ブランドロールアップ企業
・販売のみならず、製造・サプライチェーン管理含めトータルサポート(a commerce platform companyを標榜)
・特徴はオンラインのみならずevery channelでの成長支援
・既に数社買収済(Fitnessカテゴリなど)
・経済状況的に始めるには良いタイミング
・米国有数のクラウドファンディングGoFundMe元CEOが創業
・創業1年でPEなどから$200M調達
調達ニュース:https://techcrunch.com/2023/04/10/gofundme-rob-solomon-kite-commerce/
設立年:2018年
国:米国
直近調達:8Mドル/23年1月/Series A/
累計調達金額:10Mドル
主要投資家:H&M Group Ventures (Prev. H&M CO:LAB), Fab Co-Creation Studio Ventures, Fashion For Good, Tech Council Ventures, Bestseller Invest Fwd
会社HP:https://www.kintrafibers.com/
事業概要(2023年1月 調達時点):
・植物由来の生分解性ポリエステル繊維を開発
・頑丈でソフトでストレッチ性のある素材が特徴
・従来の石油由来PETと比較しCO2排出を95%、エネルギー消費を20%削減
・大手アパレルH&MやBESTSELLERが出資
・資金とパートナーと元にPOC・量産体制構築を目指す
・国内では東レがイッセイミヤケやANAに提供
調達ニュース:https://www.prweb.com/releases/2023/04/prweb19273128.htm
New Commerce Venturesでは、コマース領域のスタートアップの支援、事業会社のオープンイノベション支援を行っています。資金調達やアイディアの壁打ち、オープンイノベーションのご相談は、info@newcommerce.venturesもしくは大久保・松山のTwitterまでご連絡ください。