1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
経済産業省は「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を発表しました。
2022年の日本のB2CにおけるEC市場規模は22.7兆円(前年20.7兆円)、EC化率は9.13%(前年8.78%)となり、EC市場は引き続き成長を続けています。
EC市場の内訳は大きく「物販」「サービス」「デジタルコンテンツ」に分類されており、物販は前年比5.37%の増加に対して、サービスは前年比32.43%増加しており、コロナ禍で停滞していた旅行・飲食の予約が急増しています。
物販の内訳は以下となり、食料品や化粧品・医薬品等日用品のEC購入がさらに加速しています。既存小売事業者のネットスーパーやコンビニのデリバリー展開の増加に伴い、この流れはさらに加速が予測されています。
食品・飲料・酒類 :27,505億円(前年比9.15%増)
家電・PC・周辺機器等:25,528億円(前年比3.84%増)
衣類・服装雑貨等 :25,499億円(前年比5.02%増)
生活雑貨・家具等 :23,541億円(前年比3.47%増)
書籍・映像・音楽ソフト:18,222億円(前年比4.02%増)
化粧品・医薬品 :9,191億円(前年比7.48%増)
自動車・バイク等 :3,183億円(前年比5.55%増)
その他 :7,327億円(前年比5.37%増)
一方で、2021年の世界のEC化率は19%(うち中国は43.2%、米国は14.6%)と日本のEC化率はまだ低水準です。日本のEC領域はまだまだポテンシャルが高く、各カテゴリでの新たなECサービスの誕生と市場成長が期待されます。
参考記事:https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002.html
Shopifyは、Shopifyで運営するECサイトの決済方法としてAmazonの「Buy with Prime」を導入できる予定であることを発表しました。
これによりShopfyでの販売とAmazonでの販売を同時に行なっていたEC事業者は、Shopifyでの購入の際にAmazon Prime会員向けの無料での即日配送・返品等の特典を提供できるようになります。特にFulfillment by Amazonを利用する事業者にとっては配送業務の効率化も期待されます。
Amazonは、Buy with Primeの導入により、CVRが平均25%向上したとの実績を発表しており、ShopifyサイトのCVR向上にも活用できそうです。
Shopifyは昨年9月には、Shopifyサイト上での「Buy with Prime」の使用は、利用規約違反となる旨の警告をアナウンスしていました。一方で、今年5月にはロジスティクス事業の売却を行なっており、競争ではなく共存の道を選択したようです。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、VISAとマスターカードが決済手数料の値上げを計画していると報じました。
報道では、VISAは今年10月、マスターカード来年4月に手数料を引き上げる予定で、この値上げによる加盟店の支払増加額は、年間5億200万USD(約733億円)に上るそうです。
両社は2022年4月にも米国で大手加盟店の手数料値上げを行っており、今回はオンライン購入における決済手数料が増加する見込みとのことです。この発表により、VISAとMasterCardの株価は最高値を更新しています。
参考記事:https://jp.wsj.com/articles/visa-mastercard-prepare-to-raise-credit-card-fees-11646779980
設立年:2021年
国:フィンランド
直近調達:4Mドル/23年8月/Seed/
累計調達金額:6Mドル
主要投資家:Inventure, Business Finland, Niko Derome, Ville Vesterinen
会社HP:http://www.starcart.com/
事業概要(2023年8月 調達時点):
・決済までできる価格比較サイト
・カカクコムにカート機能が付随されたようなUX
・複数店舗での購入も同一カートで購入が可能
・店舗はインテグレーションなしで出品可能
・製品保証、配送、返品等はストアの責任範疇
・フィンランドを拠点にEU市場への参入予定
調達ニュース:https://tech.eu/2023/08/28/finland-starcart-online-shopping-raises-3-5m-seed-round/
設立年:2023年
国:香港
直近調達:5Mドル/23年8月/Seed/
累計調達金額:5Mドル
主要投資家:Lightspeed Venture Partners
会社HP:https://www.markato.com/
事業概要(2023年8月 調達時点):
・アジアの小売向け越境仕入れPF
・欧米の独立系ブランドとアジアの小売をマッチング
・アパレルや雑貨系商品が中心
・バイヤーは香港から開始、今後アジア各地へ展開予定
・商品キュレーション、卸価格で購入、初回購入のみ返品無料が特徴
・200ブランド、4000商品が出品(80%はアジアで入手不能な商品)
・数ヶ月で2000ブランド、2000バイヤーの獲得目指す。
・元deliverooとuberのメンバーで創業
調達ニュース:https://techcrunch.com/2023/08/28/markato/
設立年:2022年
国:米国
直近調達:16Mドル/23年8月/Series A/
累計調達金額:16Mドル
主要投資家:SignalFire, Boulton & Watt
会社HP:https://www.joinmoxie.com
事業概要(2023年8月 調達時点):
・メディカルスパの開業支援事業
・メディカススパとはボトックスや美容医療などspa
・通常、開業するのに$163k、6ヶ月かかるところを$30k以下で30-60日での開業を可能に
・安価な仕入れ網や独自システム(顧客管理、銀行、POS)、開業後のコンサルを提供
・元女性看護師オーナーを中心に1年で100拠点の開業を支援
・マネタイズは立上げ費用と売上のレベニューシェア(成功をアライン)
調達ニュース:https://techcrunch.com/2023/08/28/moxie/
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