こんにちわ!New Commerce Ventures大久保です。
本日は、直近気になった成長しているスタートアップについて5つpickしてご紹介します!
簡単にはなりますがpickした背景と会社概要をお話します。
1社目は今回タイトルにもなっている共創型商品開発PFのKiKi Worldです。
著名VCでもあるa16zのクリプトアクセラ出身のコマース企業となっています。コミュニティ・コマース、ユーザーのファン化の重要度が上がっていく中で、ユーザーの声を反映させながら共創型で商品開発をしていく点が面白くpickしました。
設立年:2023年
国:米国
直近調達:7Mドル/24年4月/Series A/
累計調達金額:7Mドル
主要投資家:Orange DAO, Advancit Capital, a16z crypto, 2 Punks Capital, Red DAO
会社HP:https://www.kiki.world
事業概要:
・ユーザーと共創型の商品開発PF
・商品は髪染めやNFCチップ付きネイルなど特徴的な5商品が販売中
・ユーザーからの商品に対する意見、投票(色や材料など)をもとに商品開発
・関与したユーザーにはクーポンに交換できるポイントが付与される
・共創PFの仕組みを外部ブランド、クリエイターにも提供開始
・既に1.2万人のコミュニティユーザーを抱え売上も毎月倍々で成長中
・a16zのクリプトアクセラ出身でブロックチェーンを活用
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://www.beautyindependent.com/kiki-world-raises-7m-estee-lauder-others-opens-platform-up-b2b-clients/
2社目はフランチャイジーの出店契約マネジメントを手掛けるLeasecakeです。
商業施設の業務のDXという切り口では弊社でもカウンターワークス社に出資するなど注目している領域です。商業施設側の業務のDXのツールはあるもののleasecakeのような出店者側の一括管理ツールが珍しく、一方で、日本でもメガフランチャイジーと呼ばれる企業の上場企業もいくつかあることもあり、事業領域として面白いと思いpickしました。
設立年:2017年
国:米国
直近調達:10Mドル/24年4月/Series A/
累計調達金額:27Mドル
主要投資家:Miami Angels, PeakSpan Capital, Silicon Valley Bank, North Coast Ventures, IrishAngels
会社HP:http://www.Leasecake.com
事業概要:
・テナント向けリース管理PF
・多数の出店をしているメガフランチャイジーが対象。
・従来各出店場所の情報管理、リース契約の更新や設備メンテナンス、保証等の管理業務がアナログで煩雑だった
・leasecakeは契約更新タイミングのアラートやリースの会計基準に則した計算、各種作業のデジタルでのone-stop化を可能に
・AIの活用により契約を同時にレビューすることで出店スピードの加速にも繋がる
・ピザやドーナツなど大手フランチャイジーにも導入されている
・昨年よりユーザ数は2倍に成長
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://stpetecatalyst.com/leasecakes-10-million-raise-will-propel-ai-capabilities/
3社目は世界中のPOI(Point of interest)と呼ばれるロケーションデータのDBを提供する「Dataplor」です。
2社目のフランチャイズモデルでもそうですが、出店戦略や海外進出の戦略を策定するに当たり土地土地の需要分析や競合分析が重要になってきます。Dataplorは世界中のデータを人力とテクノロジーを組み合わせながらリアルタイム性・正確性を担保し提供しているという点が面白くpickしました。
設立年:2018年
国:米国
直近調達:11Mドル/24年4月/Series A/
累計調達金額:21Mドル
主要投資家:HATCHER+, Space Capital, Blue Startups, Quest Venture Partners, Sidekick Partners
会社HP:http://www.dataplor.com
事業概要:
・世界中のロケーションデータDBを提供
・200カ国以上で1.5万ブランドの3億に及ぶPOI(point of interest)データを提供
・店舗等の拠点の住所や営業時間、連絡先、対応決済手段などの情報を蓄積
・CPGメーカーの海外進出、小売・飲食店の出店戦略の際に活用される(需給ギャップの把握や競合調査等に活用可能)
・ThoughtSpot、Esri、Nearといった類似サービスも存在するが、Dataplorは公開情報を機械学習、画像認識、LLM等テクノロジーで収集/整形するのに加え、1万人に及ぶデータの正確性を確かめるワーカーを駆使してことによる、正確性・リアルタイム性が強み
・海外進出を目指すグローバル企業を中心に35社に及ぶフォーチュン500の企業が顧客
・2020年以降毎年2.5倍で売上成長を実現
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/04/18/dataplor-data-intelligence-location/
4社目はライブ/動画コマースの販売支援を行うCommentSoldです。
資金調達したわけではないのですが、ライブコマース動画からショート動画をAIで自動生成するというコマース業界では初の機能をリリースしたとのことでpickしました。ソーシャルコマース文脈でもショート動画の量産は重要になっていくと思いますし、CommentSoldが著名ライブコマースPFである「Popshoplive」をM&Aするなど会社としての戦略も興味深くpickしました。
設立年:2017年
国:米国
直近調達:NA/21年8月/Secondary Market/
累計調達金額:NA
主要投資家:Permira, ZMC
会社HP:https://try.commentsold.com
事業概要:
・ライブコマースを活用した販売支援
・facebook 、TikTok 、instagram、shopify(自社サイト)等でライブコマースの同時配信が可能
・決済、在庫管理、フルフィルメント、返品管理等のバックエンド系システムも完備
・直近、ライブコマースの動画からAIが自動で重要な部分を切り抜いてショート動画を生成する“AI ClipHero” 機能を業界初リリース(字幕も自動付与)
・通常ライブ配信は数時間に及ぶので、見直して編集してショート動画化するのに時間がかかっていた
・販売者は生成したショート動画は各種SNSや自社サイトで活用
・2017年のリリース以降7000社のライブコマースを支援し$4.4Bに及ぶGMVの販売を支援してきた
・これまでライブコマースプラットフォーム「Popshoplive」やSNSマーケ企業等を買収。多様な形で動画コマースを牽引。
ニュース(2024年4月 時点)
https://techcrunch.com/2024/04/17/live-selling-startup-commentsold-uses-ai-to-generate-shoppable-social-ready-clips/
5社目はECのダイナミックプライシングを手掛けるSpressoです。
ダイナミックプライシングという単語はしばらくのキーワードとして挙がっており、完全自動化まではいかないまでも日本でも時間帯別の価格差ををつけるなど徐々に浸透している印象です。価格を変動させていくという観点では、ユーザーが価格交渉を行えるergoやnibble technologyなども注目しています。
設立年:NA
国:米国
直近調達:NA/24年4月/Series A/
累計調達金額:NAドル
主要投資家:BlackRock
会社HP:https://www.spresso.com/
事業概要:
・ECの価格戦略支援SaaS
・価格の幅(最低値~最高値)を設定すると最適な価格にリアルタイムで変更され続ける
・広告等のデータフィードにも自動価格反映可能
・価格最適化により平均して18%の利益改善を実現
・AEONなど大手小売も顧客
・CVと利益どちらを重視するか、プライスレンジ、実験価格の表示率の3つを変更
・SKU単位、キャンペーン単位で訪問あたりの売上、粗利、CVRの分析が可能
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://www.finsmes.com/2024/04/spresso-raises-initial-series-a-funding.html
お読みいただき有難うございました!今回ご紹介したKiki World、Leasecake、Dataplor、CommentSold、Spressoのような事業を検討されている方いらしゃればぜひDMかオフィスアワー等でお気軽にご連絡ください!
▼X
https://twitter.com/Koheei_Okubo
▼オフィスアワー(毎週木曜10-13時)
https://calendar.app.google/R5LuTNj7p5vPSL3W7
▼2023年に資金調達したコマース領域の海外成長企業を紹介するレポート
https://newcommerce.ventures/news/1354/