こんにちわ!New Commerce Ventures大久保です。
直近気になった成長しているスタートアップについて5つpickしてご紹介します!
簡単にはなりますがpickした背景と会社概要をお話します。
1社目は動画配信会社のリテールメディア化を推進するDiddoです。
TikTok Shopなどソーシャルコマースの普及は目覚ましいですが、SNSがEC機能を有したように今後あらゆる媒体、タッチポイントで目にする商品はショッパブル(購入可能)になっていくと考えています。その背景の中でDiddoはストリーミング内に表示された商品をショッパブルにしていく事業です。
設立年:2023年
国:米国
直近調達:3Mドル/24年4月/Seed/
累計調達金額:3Mドル
主要投資家:Lamar advertising, Neo, Link Ventures, Scott Forstall, Camille Ricketts
会社HP:https://www.shopdiddo.com
事業概要:
・動画内に出てきた商品を購入できる様にするAPIを提供
・APIを用いるとDiddoの保有するDBと連携され、動画に出てきた商品とその類似商品が視聴後に表示される(ex映画内俳優が来ていた洋服や撮影セット内の家具など)
・Amazon、Shopify等主要PFと連携しており表示商品からシームレスな購入体験を実現
・連携ストリーミング企業はAPIを用いて実装可能で、リテールメディアとしての新たな収益源となる。
・現在12社とパートナーシップを締結、Huluとも提携進行中
・マネタイズは取引ごとの手数料率4~6%
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/04/24/diddos-new-funding-will-bring-its-shoppable-tv-api-to-streaming-platforms/
2社目はアパレル業界特化で炭素会計を推進するCarbonfactです。
EUを筆頭にカーボンニュートラルの世界を目指し規制が強化されています。グローバルで展開する大企業も対応が求められ各種炭素会計サービスが勃興しています。その中でデータセットの拡充による差別化の観点で業界特化型サービスが出てきており、アパレルに特化しているのがCarbonfactです。
設立年:2023年
国:米国
直近調達:15Mドル/24年4月/Series A/
累計調達金額:18Mドル
主要投資家:Y Combinator, Headline, Alven
会社HP:http://www.carbonfact.com
事業概要:
・ファッション業界特化型の炭素会計SaaS
・ERP、既存データ等と連携しone-stopの炭素会計PFを提供
・SKUレベル、Scope1~3の排出量の計算が可能
・原料や加工過程毎の排出量の算定(AIでの推定含む)も可能で、配送方法や生産国変更等による削減シミュレーションも可能
・各種規制、申請フォーマットに合わせた出力も可能
・顧客はNew Balance, Columbiaなど150社超
・マネタイズは年数十万円のSaaS課金。売上は推定$3M以上
・Watershed、Persefoni、Sweep、Greenlyなど全産業向けSaaSも存在。食品特化のCarbon Maps同様、業界特化型によるDBの拡充により差別化方針
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/04/29/carbonfact-is-a-carbon-management-platform-designed-specifically-for-the-fashion-industry/
3社目はバーチャルウォレット立ち上げ支援のAnsaです。
各マーチャントはロイヤリティ顧客への注力を強化しています。その中でスターバックスのような自社アプリ(プリペイド式で残高を入れるなど)を大手企業以外が作るのは難易度が高く、そこを支援する会社です。Amazon等の大手事業会社の機能の民主化(ワンクリック決済や翌日配送など)という切り口は好きなモデルでそういった事業です。
設立年:2023年
国:米国
直近調達:14Mドル/24年4月/Series A/
累計調達金額:20Mドル
主要投資家:Reshape, Renegade Partners, B37 Ventures, Zachary Perret, Wischoff Ventures
会社HP:https://www.ansa.dev
事業概要:
・店舗独自のバーチャルウォレットの立ち上げ支援(wallet as a service)
・スタバの自社アプリ内ウォレットのようなプロダクトを実装可能に
・インセンティブやキャッシュバック等のマーケ施策も可能でCRMにも活用可能
・少額決済においてはクレカ等の手数料が実質高くなるためその課題を解決(手数料率2.9%+$0.3/回等だと$4のラテは実質12.5%の手数料率にもなる)
・stripe、squareとも連携しておりAPI活用で数週間で導入可能
・顧客はコーヒやファストフード店、コンビニなど少額決済の多い業態、年2倍の成長中
・マネタイズはPF利用料とトランザクション連動
・AydenとAffirm出身者のフィンテック理解の深いチームで創業
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/04/30/wallet-as-a-service-startup-ansa-raises-14m-with-female-investors-leading-the-way/
4社目はECのオペレーション業務を支援するSwapです。
EC化が進むにつれて多様な用途のSaaS企業が誕生してきました。一方でEC事業者としては数多くのSaaSと契約する必要があり管理上の課題感も出てきており、それに対する解決策として複数機能をバンドルして1社で提供するトレンドが見られています。Swapはソフトウェア上のone-stop化のみならず実オペレーションも支援するといった特徴を持っています。
設立年:2023年
国:英国
直近調達:9Mドル/24年4月/Series A/
累計調達金額:9Mドル
主要投資家:9900 Capital, 2100 Ventures, QED Investors, Cherry Ventures, Ed Hallen
会社HP:https://www.swap-commerce.com
事業概要:
・DTCブランドのone-stopオペレーション支援サービス
・EC業務のOSを標榜し配送、トラッキング、保険、在庫、返品、再販、越境対応などバックエンド系のオペレーションを一括受託(配送業者等とのやり取りも代行)
・DTC事業者は一つダッシュボードからデータ確認可能
・従来それぞれの用途で別サービスを契約していたところを一括化可能
・調達資金でDTCブランドの海外進出を支援するプロダクトを強化
・関税、税金、手数料等の総額が決済時に購入者が分かる越境EC体験を提供
・創業2年で現在数百のDTCブランドが顧客
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://www.ecommercenext.org/swap-raises-9m-to-launch-global-ecommerce-platform-for-cross-border-shipping/
5社目はAIを活用したクーポンカスタマイズのMonocleです。
マーケティングの4Pの中でも価格に対するアプローチはダイナミックプライシングなど様々なアプローチが存在します。本事業はクーポンを用いて個人に合わせて価格調整を行い利益を最大化していくという点が面白いと感じました。セールしないブランドも顧客になるなど既存のプライステックと比較しても対象顧客が多そうな印象です。
設立年:2023年
国:米国
直近調達:8Mドル/24年5月/Seed/
累計調達金額:8Mドル
主要投資家:Tiferes Ventures, F2 Capital, irrvntVC
会社HP:https://www.usemonocle.com/
事業概要:
・AIを活用したマーケティングSaaS
・CDPと連携、顧客分析を元にしたパーソナライズクーポンの発行が特徴
・利益最大化のために1顧客単位でクーポンの割引率、発行有無の最適化が可能
・事前に売上・利益向上の予測機能も提供
・セールとは異なるためブランド・エクイティも傷つけない点もブランドから支持
・メールマーケのKlaviyoやAttentiveとの連携により数日で導入可能(CDP連携は数週間かかることも)
・顧客は消費者向けブランド(年GMV$5M超目安の飲食からアパレルまで広範囲な業界)
・利用顧客は売上30%向上、粗利35%向上、ROIは3倍以上の成果
調達ニュース(2024年5月 調達時点)
https://www.alleywatch.com/2024/05/ai-promotion-platform-consumer-brands-incentive-perosonalized-custom-offers-mark-lotman/
お読みいただき有難うございました!今回ご紹介したDiddo、Carbonfact、Ansa、Swap、Monocleのような事業を検討されている方いらしゃればぜひDMかオフィスアワー等でお気軽にご連絡ください!
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