こんにちわ!New Commerce Ventures大久保です。
本日は、直近気になった成長しているスタートアップの資金調達について5つpickしてご紹介します!
簡単にはなりますがpickした背景と会社概要をお話します。
1社目は今回タイトルにもなっているソーシャルECのFlipです。
TikTok Shopの成長も凄まじいですがFlipは独自アプリでソーシャルECとして成長し今回ユニコーンラウンドとなりました。UGCの動画レビュー、SNSとしての盛り上がりを活性化させる様々なインセンティブ設計、ゲーミフィケーションが特徴の事業です。
設立年:2019年
国:米国
直近調達:144Mドル/24年4月/Series C/
累計調達金額:239Mドル
主要投資家:AppLovin, Human Capital, BDMI, TLV Partners, Mubadala Capital Ventures
会社HP:https://flip.shop
事業概要:
・TikTokのようなUXのソーシャルEC
・UGCの動画レビュー、投稿者へのインセンティブ設計、Flip自体が自社倉庫を保有し配送・返品対応等も行うのが特徴
・実際の購入した人のみが投稿。投稿後30日間、1000視聴あたり$15-$25の報酬あり。
・別途、経由動画から購入が発生した場合のキャッシュバックや他投稿者の動画を視聴する等でもクーポンがもらえるなどSNSとして盛り上がるための様々なインセンティブが存在
・コスメを中心に開始。現在はオールジャンルの商品で4000ブランドが参画
・500万ダウンロード突破
・アドテク企業AppLovinから資本業務提携。リテールメディア事業を強化方針
・プレバリュー1.0Bドルとユニコーンラウンドに
調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://www.pymnts.com/news/social-commerce/2024/social-commerce-platform-flip-raises-144-million-adds-ai-advertising-engine/
2社目はリワード領域のBenjaminです。
リワード領域はコマース市場の中でもFetchやibottaなど多くのグロースした企業のいる領域です。Benjaminはコマースのリワードのみならず、ゲームやアンケート調査への回答など多岐にわたるリワード要素をひとまとめにした事業です。
設立年:2022年
国:米国
直近調達:6Mドル/24年3月/Seed/
累計調達金額:7Mドル
主要投資家:Antler, EXPERT DOJO, Anton Gauffin, Play Ventures, F4 Fund
会社HP:https://www.benjaminone.com
事業概要:
・お小遣い稼ぎのスーパーアプリ
・ゲーム参加、コンテンツ視聴、ユーザーリサーチ協力、商品購入、旅行予約など多様な切り口で小遣い稼ぎができる統合アプリ
・多くのユーザーが月100ドル稼いでる
・ブラウザ拡張機能も提供
・デビットカードも発行、利用することで還元率アップ
・上記をSDKで外部提供。他社も小遣い機能を実装可能。新たな収益源(35%のレベシェア)、リテンション率の向上を提供。
・23年10月リリース後30万ダウンロード、19.5万MAUを記録
・MAU/DL数は50%を超えMOM40%で成長し続けている
調達ニュース(2024年3月 調達時点)
https://venturebeat.com/games/benjamin-capital-partners-raises-5-5m-to-reward-cash-for-gamers-and-more/
3社目は在庫管理領域のGather AIです。
在庫管理領域はRFIDやロボットなど最新テクノロジーを用いた進化が進んでいる領域です。その中でもドローンを用いているのが特徴で、公道では規制の多い日本でも展開余地の有りそうなユースケースの事業です。
設立年:2017年
国:米国
直近調達:17Mドル/24年3月/Series A/
累計調達金額:35Mドル
主要投資家:Bain Capital Ventures, XRC Ventures, Tribeca Venture Partners, Dundee Venture Capital, Bling Capital
会社HP:https://gather.ai
事業概要:
・ドローン×画像認識AIを用いた在庫管理システム
・人力でのバーコード読取等の循環棚卸のコストの高さ、精度に低さに挑戦(倉庫あたり年間数千万円の確認費用がかかり、ミスによる機会損失も)
・倉庫内をドローンが飛行し画像認識AIで在庫確認。在庫のバーコードや商品名、空き空間などをAIが画像分析。WMSのデータと比較し可視化、修正が可能。
・従来の15倍の速さで確認可能で、ROIは3-5倍、在庫データのエラーを66%削減
・3PL、食品、小売、製造業等の大手企業が顧客
・昨年、導入倉庫数は2倍に成長
調達ニュース(2024年3月 調達時点)
https://mobilerobotguide.com/2024/04/02/gather-ai-brings-in-17m-to-scale-drone-inventory-operations/
4社目は生成AI活用のVizcomです。
OpenAIを始めとして生成AIツールはプロシューマー含め普及してきました。ただプロフェッショナル向けには業界、業務特性を活かした最適化が必要でVizcomは工業デザイナーに特化した生成AIの活用を事業にしています。
設立年:2021年
国:米国
直近調達:20Mドル/24年3月/Series A/
累計調達金額:25Mドル
主要投資家:Unusual Ventures, Index Ventures, Daniel Sturman, Kyle Parrish, Ayush Sood
会社HP:https://www.vizcom.ai
事業概要:
・工業デザイナー向け生成AI活用のデザインツール
・手書きスケッチ、テキストプロンプトから製品デザインを直感的に生成可能
・Fordやニューバランス、コカコーラなど多様な業界の大企業のデザイナーに利用されている
・例えば車のデザインの場合、まず骨組みを書いて、その後色をつけて、その後ヘッドライトをつけて、ドアやハンドルも個別にデザインしてなど工程を分割してアウトプットが可能
・Photoshop等のマニュアルでの編集が不要となり業務時間の削減につながる
・また、チームで共同編集、コンテンツ管理機能等マネジメント要素も充実
・フリーミアムモデル
調達ニュース(2024年3月 調達時点)
https://www.prweb.com/releases/vizcom-raises-20m-series-a-to-enable-design-at-the-speed-of-thought-302102080.html
5社目はサステイナビリティ領域のCircular.coです。
サステイナブルな素材を活用するにあたりどう調達するのかは課題となりますがその課題を解決しています。特にPCR(Post Consumer Recycle)と呼ばれる市場販売された後のプラスチック素材の扱いに強みを持った事業です。
設立年:2021年
国:米国
直近調達:6Mドル/24年3月/Seed/
累計調達金額:11Mドル
主要投資家:Oxygea, Maniv Mobility, Eclipse Ventures
会社HP:https://www.circular.co
事業概要:
・再生プラスチック(PCR)の調達プラットフォーム
・従来は適切なサプライヤーを探索するコスト(品質、価格がバラバラ)が高く、再生プラスチックの利用促進が遅れているのが課題だった
・本PF上で市場調査、サプライヤー検索、見積もり依頼(RFQ)、材料テスト、契約、ロジ管理、Co2排出の算定などone-stopでデジタル完結
・再生プラスチックに特化した5万項目に及ぶDBが特徴(価格や材料のスペック、供給量やサプライヤーの許認可など)
・9000の認定されたグローバルサプライヤーが登録(平均契約量も4000トンと大口)
・12%のコスト削減、数ヶ月かかるプロセスを数日でできるように
・23年3Qでは3.5万トン、$43Mの取引が行われる
・欧米の製造業社は法規制で25年までに25%、30年までには50%でPCRの利用が求められる
・紙や金属など他素材にも展開予定
調達ニュース(2024年3月 調達時点)
https://www.packagingdive.com/news/circular-funding-round-postconsumer-recycled-material-platform-procurement/711300/
お読みいただき有難うございました!今回ご紹介したFlip、Benjamin、Gather AI、VizcomCircular.coのような事業を検討されている方いらしゃればぜひDMかオフィスアワー等でお気軽にご連絡ください!
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▼2023年に資金調達したコマース領域の海外成長企業を紹介するレポート
https://newcommerce.ventures/news/1354/