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GAFAM各社の決算まとめ(2023年10-12月期)
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Shopify M&Aヒストリー

2024/02/25

今回は世界のECを牽引するShopifyの過去のM&A事例から、成長戦略においてどの様にM&Aを活用してきたのかを振り返りたいと思います。その前にまずはちょうど先日発表された2023年第4四半期の決算の内容から振り返りましょう。

決算概要

2023年年間のGMVは$235.9B(YOY+20%)、売上は$7.1B(YOY+26%)、粗利は$3.5B(YOY+28%)となりました。GMVの規模感でいうと日本のEC市場が約14兆円(2022年)なので日本市場の2倍の流通額がShopify上で扱われている計算です。参考までに、売上をGMVで割った”attach rate”は2.99%という水準です。

2006年創業以来、ECサイト構築という価値から提供価値を拡大させてきました。エンタプライズ対応の強化(shopify Plus、Commerce Components)、リアル店舗対応(shopify POS、POS GO)、越境対応(shopify market)資金提供(shopify capital、shopify credit)、集客支援(Shop、Shop Cash、Shop Campaigns)BtoB対応(Shopify Collective)、外部マケプレ対応(Shopify Marketplace Connect)のように多岐にわたるサービスをマーチャントに提供してきました。

そして2023年の活動の中でも話題になったのが生成AIの活用です。具体的には、商品説明や商品画像生成の支援をする「Shopify Magic」や業務の効率化・最適化を支援するAIアシスタント「Sidekick」のリリース、消費者向けには「Shop」上でのお買い物サポートなどです。特にマーチャント向けのAI solution(Magic + Sidelick)はこれまで提供してきた多岐にわたるサービス郡と連動すること新たな価値の創出が見込まれそうです。

M&A事例概要

それでは、創業以降Shopifyが実施してきたM&Aについて見ていきたいと思います。これまでに18件のM&Aを手掛けてきました。下記が各案件の概要となります(修正点あればご指摘ください)。

各社の説明は割愛しますがM&Aのフェーズ(目的)は大きく4つに分けられるかと思います。

フェーズ1:人材獲得

2016年までは、Jet CooperやSelect Start Studiosを始めとしたweb/アプリ開発会社、デザイン会社などの人材獲得目的のM&Aを実施してます。Shopify Plus強化の際もアクハイアーでの人材獲得をしました。また人材獲得という目的はフェーズ2以降でも共通しており、旧Helpful、Tictail、Jet Cooper、Handshakeなどの人員が現在のshopifyにおいても各部門を牽引しています。特にHelpfulについては少額の資金で優秀な経営層を獲得できたと言われています。

フェーズ2:機能拡張

2016年ごろから、コアプロダクト強化のためkit(広告運用)、Oberlo(ドロップシッピング)、Return Magic(返品効率化)といったshopify appを買収していきます。また人材獲得とも重なりますが、AR領域のPrimer、AIを用いた画像検索領域のDonde Search、インフルエンサーマーケ領域のDovetaleなど新領域強化を目的とした買収も行ってきました。特にshopify史上1位、2位の金額を誇ったのが物流領域です。2019年には6 River System(倉庫ロジ効率化)を$450Mで、2022年にはDeliverr(フルフィルメントサービス)を$2.1Bで巨額買収を行いマーチャントへの物流面での支援強化を目指しました。

フェーズ3:顧客基盤拡大

2018年からの2社(Tictail、Handshake)は新規市場におけるマーチャントの顧客基盤拡大のためのM&Aとなってます。

フェーズ4:選択と集中

昨年、shopifyの買収戦略で話題になったのがロジスティクス事業の方針転換です。巨額の買収資金を投下したDeliverrをFlexport(デジタルフォワーダー)へ、6 River SystemsをOcado(英国ネットスーパー)へそれぞれ売却しました。Shopifyの物流領域についてはFlexportと連携をしていき、ShopifyとしてはAI活用を中心とした、彼らが最も得意とするECプラットフォームの強化に注力するとのことです。

各フェイズでの特徴としてリスクを限定的にしているというのが挙げられます。

・人材獲得型は小規模の組織を買収し、PMIリスクを下げる。実際に多くの買収先起業のメンバーがshopifyのマネジメント層で活躍中。
・機能拡張型はすでにニーズが顕在化したappを買収。全く同じプロダクトを模倣して自社開発せずM&Aしたのは、エコシステムを健全にとも言われています。
・顧客基盤拡大型は、既存プロダクトで顧客ニーズを満たせることがわかっているからこその買収

一方で物流領域の方針転換にもあるように、自社のコアコンピタンスを何と考え、成長戦略をどう描くということは難しいテーマだと感じました。買収当時は私もニュースを見て、納得感がある拡張の方向性だと思ったものでした。

以上、簡単にはなりますがShopifyの直近決算と M&Aの振り返りでした。次回はShopifyの出資先スタートアップ事例をまとめたいと思います。

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▼参考文献

・ShopifyのIR資料
https://investors.shopify.com/home/default.aspx
・Deliverr
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN052WL0V00C22A5000000/
・Remix
https://voi.id/ja/teknologi/223503
・Dovetale
https://www.commercepick.com/archives/16887
・Donde Search
https://www.signalhire.com/companies/donde-search
・Primer
https://onetech.jp/blog/online-shopping-with-shopify-ar-primer-12860
・vinderbit
https://www.marketscreener.com/quote/stock/SHOPIFY-INC-22283351/news/Shopify-Inc-acquired-Vinderbit-Pty-Ltd-34210863/
・6 River Systems
https://www.wwdjapan.com/articles/927032
・Handshake
https://techcrunch.com/2019/05/23/shopify-quietly-acquired-handshake-an-e-commerce-platform-for-b2b-wholesale-purchasing/
・Helpful
https://www.marketscreener.com/quote/stock/SHOPIFY-INC-22283351/news/Shopify-Inc-acquired-Helpful-com-Inc-34444790/
・Tictail
https://betakit.com/shopify-acquires-swedish-ecommerce-marketplace-tictail/
・Return Magic
https://s-apps.info/apps/sell/return_magic/
・Oberlo
https://www.startuplithuania.com/news/shopify-has-acquired-oberlo/
・Tiny Hearts
https://techcrunch.com/2016/12/05/shopify-acquires-digital-studio-tiny-hearts-makers-of-wake-alarm-next-keyboard-more/
・Boltmade
https://www.shopify.com/news/shopify-acquires-boltmade-to-accelerate-shopify-plus-roadmap
・Kit
https://news.goriderep.com/ja/shopify/tech-shopify-kit/
・Jet Cooper
https://news.shopify.com/shopify-acquires-jet-cooper
・Select Start Studios
https://news.shopify.com/shopify-acquires-select-start-studios
・storesync
https://techcrunch.com/2010/01/09/e-commerce-platform-shopify-buys-up-storesync-to-shore-up-mobile-strategy/
・Shopify’s acquisitions: A visual overview
https://news.pinpop.net/p/shopify-acquisitions-a-visual-overview

 

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大久保洸平
大久保洸平
一般社団法人日本オムニチャネル協会監事。 東京工業大学大学院(技術経営専攻)卒業後、ヤフー株式会社に入社。Yahoo!ショッピングにて、出店企業へのコンサル営業、サービスEC事業立上げ、広告企画の業務に従事。またCSO(Chief Strategy Officer)室にて調査業務も担当。2017年よりYJキャピタル(現Z Venture Capital)に参画。コマース領域を中心としたスタートアップ支援に注力。2022年にNew Commerce Venturesを設立。

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