今注目の切り口 Service as a Serviceモデル!!　組込型で“商品専門家”、“訪問サービス”を提供!!　ほか3社

こんにちわ！New Commerce Ventures大久保です。
直近気になった成長しているコマーススタートアップについて5つpickしてご紹介します！
簡単にはなりますがpickした背景と会社概要をお話します。

1社目はタイトルにもなっているService as a Service領域のRemarkです。
専門家と相談できるECはcurated始め国内外でいくつもサービスが誕生してきました。一方でクリエイターへの報酬を鑑みるとユニットエコノミクス的にどう成立させるかは課題だったと認識しており、その点、Remarkは専門家との相談サービス自体をEC事業者に組込型で提供するService as a Service型を採用しており集客コストの低減を実現しています。直接エンドユーザーに届けるモデルと、事業者に組込型で提供するモデルのハイブリット型は増えていきそうです！

専門性との相談型コマース組込支援「Remark」

設立年：2022年
国：米国
直近調達：11Mドル/24年5月/Venture – Series Unknown/
累計調達金額：11Mドル
主要投資家：Stripe, Neo, Spero Ventures, Sugar Capital, Visible Ventures
会社HP：https://www.withremark.com

事業概要:
・専門家との相談型コマースの自社サイトへの組込支援
・コンセプトは店舗で店員と相談しながらショッピングをする体験の実現
・購入者は簡単な初期質問（習熟度など）に答えると専門家がマッチングされ、チャットでの会話、自分に最適化されたページを通じた買い物が可能
・RemarkはEC企業が上記サービスを自社サイトで実現することを裏方として支援
・数万人が利用し、応答速度平均12秒、CVR30%と、顧客満足度は99%
・スキーやハイキング、ゴルフなど幅広い専門家5万人がパートナー
・45+のブランドが顧客(売上・顧客単価の向上、返品率の低減が価値)
・CS未対応時間でも接客可能となり売上向上に繋がる
・主要EC構築PFやチャットプラットフォーム（zendesk、Gorgias）等と連携可能
・マネタイズはRemark経由の売上連動成果報酬型
・今後、専門家とのチャットを学習しAI専門家を強化していく方針

調達ニュース(2024年5月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/05/23/remark-ecommerce-shopping-decision/

2社目も役務サービス×Service as a Service領域のDealtです。
こちらもService as a Serviceとして小売店舗に役務サービスを提供している事業となります。スケーラビリティ、収益性、競合優位性構築などの観点で、直接ToCに届けるのか、もしくは、embedded される形で裏方に回るのかを比較検討する必要がある中で、元々直接toCに提供するモデルから裏方に回るモデルへpivotをし成長している点で興味深いです。個人的に組込型/つるはしビジネスは好きなモデルです！

小売店向け役務サービス組込支援「Dealt」

設立年：2016年
国：フランス
直近調達：7Mドル/24年6月/Series A/
累計調達金額：8Mドル
主要投資家：GO CAPITAL, Holnest, NEO FOUNDERS, Le Groupe La Poste, La Poste Ventures
会社HP：https://www.dealt.fr/

事業概要:
・小売店向けに組込型で役務サービスを提供
・例）家具小売店が消費者に対して家具組み立てサービス提供をできるようになる（裏側で訪問サービス人員/システムはDealtが家具店に提供）
・小売/EC事業者はAPIを用いて自社プロダクトに組み込むことが可能で、消費者は決済時に役務サービスの追加選択が可能に
・店舗内でもQRコード等により消費者に役務を自社サービス(white label)として提供可能
・1万名の認定サービスパートナー人員がおり家具・家電の初期設定・取り付け、修理、各種DIYなど300種のサービス提供が可能
・小売店は新たな収益源（役務代金の15％手数料）の創出、CVR5％up、客単価15％up、顧客満足度向上などが見込める
・フランスの大手小売始め500店舗、40のECサイトと連携済み
・マネタイズは初期導入費用、月額費用（店舗数や連携サービスの幅で変動）
・元々消費者向けに直接マケプレを提供していたが組込型にpivotすることで成長

調達ニュース(2024年6月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/06/05/dealt-turns-retailers-into-service-providers-and-proves-that-pivots-sometimes-work/

3社目は過剰在庫の売却支援を行うMaxRetailです。
個店の在庫課題に対するソリューションとしてFaireを始め多数のソリューションが急成長を遂げています。その中で過剰在庫の売却機会を提供することで損失を回避し個店の資金繰り改善に寄与する一種の切り口として以前取り上げたGhost同様に面白いと思いました。

個店の過剰在庫売却PF「MaxRetail」

設立年：2018年
国：米国
直近調達：15Mドル/24年4月/Series A/
累計調達金額：21Mドル
主要投資家：Techstars, M13, Rethink Impact, The Artemis Fund, Nosara Capital
会社HP：https://www.maxretail.com/

事業概要:
・個店の過剰在庫の売買PF
・調査によると過剰在庫による損失は対売上比5%に及ぶとも
・大幅セールや処分と比較してMax Retailでの売却は4-8倍の金額となる
・小ロットから大規模取引まで可能(型落ちなので卸売より安価に出品)
・平均月$1105の売却金額、89％の売手が毎月何かしら販売実績を創出
・GMVは年間4倍成長で新規顧客の4割は既存からの紹介
・2000+の認定済みの小売事業者が参加
・商材はアパレル、雑貨関連がメイン
・今後、売値や在庫最適化のAIを強化する方針
・在庫管理、配送をやっていない分、エリア、業界展開のスケーラビリティがある

調達ニュース(2024年4月 調達時点)
https://www.hulkapps.com/blogs/ecommerce-hub/max-retail-raises-15-million-to-expand-excess-inventory-marketplace

4社目は2次流通領域のFaircadoです。
2次流通の活性化の中でも個人を起点とした切り口に注目しています。”買う”を支援するFaircadoや、”売る”を支援する、メールをスクレイピングして過去の購入商品の時価を可視化してくれるHazや、新品購入時にその商品の下取り価格をコミットをしてくれるcroissant など多様なサービスが誕生しております。私的には”個人”にフォーカスした2次流通のトータルソリューションが出てくるのでわないかと期待しております。

中古商品のレコメンド拡張機能「Faircado」

設立年：2022年
国：ドイツ
直近調達：3Mドル/24年5月/Pre-Seed/
累計調達金額：4Mドル
主要投資家：World Fund, Earlybird Venture Capital, General Catalyst, Accel, Lightspeed Venture Partners
会社HP：https://faircado.com/

事業概要:
・中古商品をレコメンドしてくれる拡張機能
・例)Amazonで新品のNIKEのスニーカーを見ている時にebayの中古で安価なNIKEを表示してくれるUX
・現在は、家電、本、アパレルに対応
・Amazonなど1600サイトに対応。中古品側はebay等の50サイトと連携
・5000万商品と連携しており平均60%安く購入可能
・マネタイズはクリック課金型アフィリエイト
・中古品の一括検索という文脈ではbeni（米国）、gently（米国）が存在も、Faircadoはヨーロッパ軸に展開する点で差別化

調達ニュース(2024年5月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/05/28/faircado-raises-3m-to-nudge-people-to-buy-pre-owned-goods/

5社目は旅行領域のPlanninです。
“プロフェッショナルエコノミー”という旅行、不動産、人材など各業界の個人プロが活躍する経済圏については兼ねてより注目してました。特にプロフェッショナルエコノミーの構成要素として個人プロの活躍をバックオフィスの立場から支援し、かつ、旅行のような産業バーティカルで支援する切り口は注目しております！

クリエイター中心の旅行予約PF「Plannin」

設立年：2022年
国：カナダ
直近調達：2Mドル/23年1月/Venture – Series Unknown/
累計調達金額：2Mドル
主要投資家：Golden Ventures, Jeffery H. Boyd, N49P
会社HP：https://plannin.com/en

事業概要:
・クリエイター中心の旅行予約PF
・クリエイターがお勧めする旅程動画コンテンツ・ホテルから検索/予約できるのが特徴
・クリエイターには投稿経由の予約金額の5%の手数料が入る仕組み
・600人のインフルエンサーが登録、5000投稿、1500のレコメンドが存在
・ブッキングホールディングスと連携
・夏にはレストラン予約、アクティビティ予約等も一括で旅程紹介ができるように
・Pricelineの元役員が創業、夏に向け調達予定

ニュース(2024年5月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/05/30/plannin-travel-booking-platform-for-creators/

お読みいただき有難うございました！今回ご紹介したRemark、Dealt、MaxRetail、Faircado、Planninのような事業を検討されている方いらしゃればぜひDMかオフィスアワー等でお気軽にご連絡ください！

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▼2023年に資金調達したコマース領域の海外成長企業を紹介するレポート
https://newcommerce.ventures/news/1354/