1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
Instacartが、NASDAQへの上場申請を行いました。Instacartは、2022年にIPOを計画していましたが、株式市場の低迷を受けペンディング、株式市場の回復を受け、今回の上場申請となっています。
S-1(目論見書)では、米国の食料品市場の85%を占める1,400社以上の小売業者と提携していることが明らかになっています。
また、2022年度の総取引高288.2億USD(前年比15.7%増)、売上25.5億USD(前年比39.1%増)、注文件数2.6億件(前年比17.5%増)、純利益4.28億USD(前年7300万USDの損失)となっており、高い利益率を実現しています。
特に広告事業の売上は2020年2.9億USDから2021年5.7億USD、2022年7.4億USDと急成長を続けており、リテールメディアの追い風を受け、本業の成長へ貢献している模様です。また、今回公開されたアクティブユーザーの経過年数毎のARPUでは、年数が経つにつれてARPUの向上が見られ、化粧品小売のSephoraや薬局チェーンのCVSヘルスをはじめ食料品以外の配送への拡大戦略も成果が見えてきているようです。
先週はEC事業者へマーケティングオートメーションツールを提供するKlaviyoの上場申請もあり、下半期のコマース関連企業の上場も盛り上がっていきそうです。
参考記事:https://techcrunch.com/2023/08/25/instacart-s1-five-takeaways/
Amazonは、Amazon以外の自社サイトやECサイトで販売された商品の配送を行う配送サービス「Amazon Shipping」の提供を開始しました。Amazon出店事業者を対象として、米国本土内に注文から2〜5営業日で配送するそうです。
Amazonは過去にも一部都市の出店事業者に対して配送サービスを提供していましたが、2020年に停止しました。その後、フルフィルメントセンターの拡充を図り、今回の再リリースとなっています。
今回の配送サービスは、Fufillment by Amazonを利用していない出店事業者も対象となっており、在庫をAmazonの倉庫に保管しなくても利用可能です。
Amazonは先日即日配送の拡大を発表しており、米国内の即日配送物流網を有する配送事業者としてUPS・FedExの市場シェアをリプレイスを目指していると考えられます。実際にAmazonの米国内での年間小包配送個数は48億個と既にFedExを超えており、配送市場の攻略も本格的にスタートしたと考えられます。
ファストファッションECのSHEINとファストファッションSPAのFOREVER21を運営するSPARCグループが資本提携を発表しました。今回の提携は両社のチャネルを活用した協業を目的としており、SHEINはSPARCグループの株式の1/3を取得、SPARCグループもSHEINの一部株式を取得したそうです。
今回の提携により、FOREVER21はSHEINのECプラットフォーム上で商品販売を行い、SHEINはFOREVER21の店舗を活用してポップアップショップや返品受け取り等のブランド顧客体験のテストを行っていくとのことです。
SPARCグループは、FOREVER21以外にもBrooks BrothersやNAUTICA、Reebok等のブランドも傘下に納めています。
SHEINはこれまでのファストファッションECからマーケットプレイスとして3rdパーティーブランドの出店やファッションアイテム以外の取り扱いにも注力しており、今回の提携は出店ブランドの拡大・店舗体験の充実化を推し進める提携となりそうです。
参考記事:https://www.fashiondive.com/news/shein-forever-21-deal/691775/
設立年:2021年
国:米国
直近調達:30Mドル/23年8月/Series B/
累計調達金額:55Mドル
主要投資家:Flexport, Union Square Ventures, Human Capital, Eniac Ventures, Cathay Innovation
会社HP:https://ghst.io
事業概要(2023年8月 調達時点):
・過剰在庫のB2Bマケプレ
・小売の過剰在庫の問題を解決
・買い手にはAIを用いてキュレートされたUX を提供
・ファッション、美容、家具などの商材が中心
・現在1,000社が登録しており、1年で出品在庫は6倍の$1Bに、GMVは10倍+に成長
・chrome拡張機能を開発(閲覧商品のゴースト出品有無が確認可能、出品リクエストも可能)
・欧米、アジアでの展開を強化
・世界で$500Bが過剰在庫のため割引販売されており今後も増加していく
設立年:2017年
国:米国
直近調達:9Mドル/23年8月/Seed/
累計調達金額:9Mドル
主要投資家:Bellini Capital
会社HP:https://getstoreconnect.com
事業概要(2023年8月 調達時点):
・SMB向けのEC支援salesforce app
・salesforce上でECに関わるサイト構築、CMS、CRM、POS管理、営業管理などone-stopで提供
・これにより多様なPF統合が不要で導入、運用が楽
・salesforceのインテグレーションパートナー60社を2年で獲得
・selfserve型で月$195~複数プランあり
・21年のsalesforce appのリテール部門のアワードを獲得
・2028までに$50Mの売上を目指す
調達ニュース:https://www.finsmes.com/2023/08/storeconnect-raises-9m-in-seed-funding.html
設立年:2023年
国:米国
直近調達:22Mドル/23年8月/Series A/
累計調達金額:32Mドル
主要投資家:Kleiner Perkins, Paradigm, Base10 Partners
会社HP:https://prins.ai/
事業概要(2023年8月 調達時点):
・バーチャルヒューマンの生成AI
・バーチャルヒューマンの他、テキスト、ppt、URLから動画を生成可能
・ライブコマースや動画コマース、教育、テレビ、マーケ、メタバース、NFTsなど幅広いユースケース
・ブロックチェーン・スマートコントラクトを用いてバーチャルヒューマンの利用・トレーニングを記録、トレーニング協力者にはクリプトで報酬あり
調達ニュース:https://ts2.space/en/prins-ai-secures-22-million-in-funding-to-enhance-ai-digital-persona-training/
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Commerce Market Trend 2022
2022年の海外・国内のコマース市場動向、資金調達・IPO・M&A動向、2023年の注目トレンドをまとめたレポート
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