1週間のコマース領域の注目ニュースとスタートアップを紹介します。
Amazonが第2四半期の決算発表を行いました。第2四半期売上高は、前年同期比10.8%増加の1343億USD、以下内訳となっています。
オンラインストア:529億USD(前年同期4.1%増)
実店舗:50億USD(前年同期6.4%増)
3rdパーティー販売:323億USD(前年同期18.1%増)
サブルクリプションサービス:98億USD(前年同期13.5%増)
広告:106億USD(前年同期21.9%増)
AWS:221億USD(前年同期12.1%増)
その他:13億USD(前年同期25.6%増)
特に広告事業が20%以上の成長を見せており、AWSも未だに12%強の成長、Amazonの営業利益の70%を支える構造となっています。今後については、配送速度を犠牲にすることなくコスト削減による利益率向上に注力していくそうです。
先日はShopifyも第2四半期の決算発表を行なっており、こちらも売上高は、前年同期比31%増の16.9億USD、GMVは前年同期比17%増の550億USDとなっています。
主に決済手数料からなるマーチャントソリューションの売上高が前年比 35%の12.5億US、主にGMVの成長とShopify Paymentsの導入増加が貢献しったそうです。そして、月額課金からなるサブスクリプションソリューションの売上高は、加盟店の増加と4 月の価格変更により、前年比 21% 増の4.4億USDとなっています。
参考記事:https://s2.q4cdn.com/299287126/files/doc_financials/2023/q2/Q2-2023-Amazon-Earnings-Release.pdf
2023年2月Amazonは、Amazon Fresh・Amazon Goの一部店舗を閉鎖、戦略を再検討するために拡大を一時停止することを発表しました。
ここから約半年を経て、一部店舗にて新たなフォーマットの店舗検証を開始しました。
リニューアルしたシカゴの2店舗では、有名ブランド商品からPB商品まで1500以上の商品を取り扱い、従来より大幅に商品ラインナップを拡充され、店舗の内装やポップもファミリー層や子供向けのデザインが取り入れられています。さらにクリスピー・クリーム・ドーナツが併設され、買い物時の休憩ができる仕組みとなっています。
Amazon Freshの特徴であった最先端の決済技術については、従来のダッシュカート(QRでID認証、カートに購入物を入れるとカメラと重量計で商品を認識して、出口のレーンで決済完了するスマートカート)だけでなく、セルフレジも併設され、テクノロジーに関心がない顧客も利用できるようになっています。
また、今後はファミリー層が楽しめる季節イベントを店頭で開催する予定もあり、これまでの技術による利便性を訴求した店舗から、一般的なファミリー層向けスーパーとしての内装・機能を提供し始めています。
プライム会員は10% OFFとなる仕組みや店舗を活用した物流網の構築など、Amazonの既存リソースも活用しており、Amazonが今後オフライン領域でどのように戦っていくのかが楽しみです。
参考記事:https://www.retaildive.com/news/amazons-grocery-revamp-has-begun/689770/
スポーツチームのオフィシャルアイテム販売を中心に成長するスポーツEC業界のユニコーンFanaticsは、ライブコマースアプリ「Fanatics Live」をローンチしました。
このアプリでは、有名アスリートやクリエイターによるライブコンテンツの配信に加え、利用者同士がライブ配信を通じてコレクターズアイテムの公開や販売を行える仕組みとなっています。現在Fanaticsは、IPOに向けた準備を進めており、来年はFanatics Eventsというコレクターズアイテムのファン向けイベント事業を展開するなど事業ポートフォリオの多角化を目指していくようです。
中国に比べ、普及がなかなか進んでいなかったライブコマース領域ですが、直近では商品特化型のライブコマースが大きく成長しています。Fanaticsと近いコレクターズアイテム領域では、C2C型のWhatnot、B2C型のNTWRK、化粧品領域では様々な人種の肌質に合ったコスメを紹介するFlipなど、コンテンツとして成立する商品特性を有する商品特化のライブコマースが成長しています。
まだまだコンテンツとして成立する商品カテゴリは多く存在すると思います。次にどんなカテゴリでライブコマースが生まれてくるか注目したいと思います。
参考記事:https://techcrunch.com/2023/07/26/fanatics-launches-live-commerce-app/
設立年:2020年
国:米国
直近調達:12Mドル/23年7月/Series A/
累計調達金額:17Mドル
主要投資家:Y Combinator, Bonfire Ventures, BBG Ventures, TMV, Forerunner Ventures
会社HP:https://www.toplinepro.com
事業概要(2023年7月 調達時点):
・ホームサービス自営業者向け支援SaaS
・webサイト作成、予約/決済、SNS運用、CRMなどをAIが効率化・自動化
・価格は月$99からのサブスク型モデル
・SEO対策、レビュー収集、キャンペーン運用などプランにより提供価値が変化
・昨年$25Mだった取扱高は$180Mに成長。今も月次二桁成長中
・米国では500万のホームサービス事業者がおり、年間2桁成長している成長市場
・同領域ではHoney Homes、Finli、Super、Fuzey、Pils Technologiesが調達するなど注目市場
調達ニュース:https://techcrunch.com/2023/07/31/topline-pro-12m-home-service-enterprise/
設立年:2018年
国:米国
直近調達:9Mドル/23年7月/Series A/
累計調達金額:13Mドル
主要投資家:M13, Oregon Venture Fund, Founders’ Co-op, Revolution, Revolution Rise of the Rest Seed Fund
会社HP:https://tothesource.com
事業概要(2023年7月 調達時点):
・建築資材のB2Bマーケットプレイス
・家具、壁紙、備品(FF&E)住宅設備など世界最大の製品カタログを保有
・調達に加え、サンプル取得、ルックブック作成、建築士やデザイナーとのコラボレート、予算編成やプロジェクト管理なども可能
・デザイナーや建築士もプロジェクト管理に参加でき商品素材を見れるのが特徴で、既存の電話、メール、faxのやりとりの商習慣をDXするプロダクト
・流通額は2年間平均700%の成長を記録
・ホスピタリティ(ヒルトンやマリオット)、住宅、テナント領域に注力
・当該市場は$500Bの規模で、6.5万の建築/デザインファームが存在
調達ニュース:https://m13.co/article/investment-announcement-source-b2b-procurement-construction-design
設立年:2021年
国:米国
直近調達:16Mドル/23年7月/Series A/
累計調達金額:16Mドル
主要投資家:RiverPark Ventures, Telescope Partners, Vanterra Capital, Boulder Food Group (‘BFG’), Nik Sharma
会社HP:https://retextion.com/
事業概要(2023年7月 調達時点):
・shopifyブランド向けサブスク管理SaaS
・Lunar Solar Group(有名なEC Agency)の創業者達が創業
・AIを用いてLTV向上のための多様の機能を提供(22年にはRetentionEngine買収)
・解約率の減少、客単価の向上などにより売上・利益の向上が見込める
・マネタイズは固定課金(月$499)+従量課金(1%+$0.19/購買)
・リリース約2年で顧客数は300社
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Commerce Market Trend 2022
2022年の海外・国内のコマース市場動向、資金調達・IPO・M&A動向、2023年の注目トレンドをまとめたレポート
Commerce Startup Funding 2022
2022年に資金調達したコマース領域の海外注目企業を紹介するレポート
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