こんにちわ!New Commerce Ventures大久保です。
直近気になった成長しているコマーススタートアップについて5つpickしてご紹介します!
簡単にはなりますがpickした背景と会社概要をお話します。
1社目は調達管理のAI-Copilotのamebaです。
調達に特化したAI Copilotの事例です。前回までは業務を完全自動化するAI-agent型の事例を取り上げていたのですが、今回は人間の意思決定を支援するような立ち位置のサービスです。交渉AIとして紹介したPactum同様多岐にわたるサプライヤーとのやり取りの効率化はホリゾンタル、バーティカル共に様々な領域で進みそうです!
設立年:2023年
国:英国
直近調達:7Mドル/24年10月/Seed/
累計調達金額:16Mドル
主要投資家:Hedosophia, Anamcara Capital, Visionaries Club
会社HP:https://ameba.ai/
事業概要:
・仕入れ、在庫管理を支援するAI-Copilot
・業界全体で平均50%の調達・仕入れは遅延し、それを起因とした在庫切れにより売上の8%を毀損していると言われている
・amebaはサプライヤーとの各種やり取り(email、wechat、WhatsApp、PDF、エクセル..)のデータを統合し発注・配送状況の可視化をリアルタイムに実施
・遅延可能性のあるサプライヤーとのやり取りをAI-Copilotがアラートし、対応策のアクションをAIが提案・支援(ex.材料不足による商品生産の遅延連絡に対して毎週確認の連絡を行う)
・多言語自動通訳により世界中のサプライヤーとのコミュニケーションを円滑化
・作業時間の30%削減
・サプライヤーへのオンボーディングや業務フロー変更を必要としないので導入しやすい
・20のサプライヤーとのやり取りがある事業者の事例として初期3ヶ月で140の重大な製造遅延・配送遅延(導入前なら気づかなかった)のアラート通知が出たとのこと。
・アパレル、家具の小売、ブランドなど調達、仕入れ作業をしている幅広い産業に対応
・EC企業創業者とPalantirのエンジニアが共同創業
調達ニュース(2024年10月 調達時点)
https://techfundingnews.com/ai-driven-supply-chain-platform-ameba-raises-7-1m-to-boost-global-expansion/
2社目は化学産業特化のAI調達PFのValderaです。
1社目に続き調達領域のPFです。違いとしては特定産業に特化することでサプライヤーの網羅性、検索性・マッチング精度で優位性を作れ、また、サプライヤーとバイヤーのマッチング領域まで実施している点です。特化するか否か、バリューチェンのどこまでをプロダクトのターゲットにするかによって調達×AIと一言に言っても多様なスタートアップが誕生、成長していきそうです!
設立年:2020年
国:米国
直近調達:15Mドル/24年10月/Series A/
累計調達金額:15Mドル
主要投資家:Susa Ventures, Index Ventures, BoxGroup, Lerer Hippeau, Darian Shirazi
会社HP:https://valdera.com/
事業概要:
・化学原料に特化したAI活用調達PF
・バイヤーは、より安いサプライヤーの発見、調達先の分散化、探索コストの削減のため本PFを利用
・バイヤーが作成した見積依頼書を基にサプライヤーは見積書を作成、マッチング後は、PF上のメッセ機能で交渉、契約まで可能。
・マッチングからコミュニケーションまでAIが効率化し、14%のコスト削減、製品リリースの30-40%の早期化を実現
・40万サプライヤー、170万種類のCAS(化学物質の種類)が登録され、PF上で$100Mの見積依頼の実績がある
・化粧品や日用品メーカーなど大手顧客が顧客
調達ニュース(2024年10月 調達時点)
https://www.indexventures.com/perspectives/valdera-secures-15-million-to-help-manufacturers-make-the-next-generation-of-products-faster-safer-and-more-sustainably-than-ever-before/
3社目はEC向け在庫最適化AIのMoselleです。
大企業向けのプロダクトはあるが、中小企業向けの良いプロダクトがない領域でAIを活用してone-stopソリューションを提供していくという切り口はパターンとして注目しており、Moselleはそれを在庫管理領域から参入していて面白いです!
設立年:2019年
国:カナダ
直近調達:2Mドル/24年10月/Seed/
累計調達金額:2Mドル
主要投資家:True., MaRS Investment Accelerator Fund, AQC Capital, Highline Beta, Rebellion Ventures
会社HP:https://www.moselle.io
事業概要:
・小規模EC事業者向けに在庫最適化AIを提供
・大手向けの複雑な在庫管理システムはあるが小規模事業者は取り残されていた
・各種EC PF(shopify、amazon、bigcommerceなど)と即時に連携。チャネル、SKU毎の販売状況を可視化
・SKU単位で12ヶ月の売上予測をAIがリアルタイムで算出、在庫補充等のアラートをサジェスト
・顧客は毎週15時間の削減、在庫切れを16%削減、販売予測の80%改善などによりROIで3倍以上の成果
・価格は$250/月~
・今後、AI・自動化の強化に加え、事業者の資金ニーズを満たす機能を提供予定
調達ニュース(2024年10月 調達時点)
https://www.finsmes.com/2024/10/moselle-closes-2m-seed-funding-round.html
4社目はECクリエイティブ分析AIのVizitです。
クリエイティブ×AIは多数のスタートアップが生まれてきましたが、VizitはECに特化し、かつ、様々な設定(ユーザー属性や媒体種類など)によってクリエイティブのスコアリングが可能な点が特徴。競争が激しい分、業界やユースケースを特化させて選ばれる理由を作りに行くのが重要そう。
設立年:2020年
国:米国
直近調達:25Mドル/24年10月/Series B/
累計調達金額:35Mドル
主要投資家:Roll Tack Ventures, Brand Foundry Ventures, Industry Ventures, Nick Candito, eGateway Capital
会社HP:https://vizit.com
事業概要:
・EC特化型のクリエイティブ分析AI
・消費者の目線に立って商品画像等を瞬時にスコアリング
・同じクリエイティブでも想定顧客のデモグラ情報や、表示媒体の設定によって異なるスコアを表示
・クリエイティブのどこを修正すると評価点が上がるかをAIが提案(商品配置や背景、文字数など)
・カテゴリー毎のベンチマーククリエイティブや競合のクリエイティブとスコア比較が可能
・Vizit利用によりトラフィックが最大25%、コンバージョンが最大45%、売上が最大30%向上する例も
・ロレアル、Mars、ハイネケンなど大手ブランドが顧客
調達ニュース(2024年10月 調達時点)
https://www.vizit.com/blog/vizit-raises-25m-in-series-b-funding
5社目は決済エラー解決による売上向上AIのFlexFactorです。
決済に絡む領域はGMV連動型の売上になることも多く注目しているテーマです。不正決済や、決済エラーのリカバリー領域はEC市場拡大とともに拡大していく、つるはしビジネスの要素もあり今回は取り上げました。
設立年:2022年
国:米国
直近調達:17Mドル/24年10月/Series A/
累計調達金額:17Mドル
主要投資家:Bessemer Venture Partners
会社HP:https://www.flexfactor.io
事業概要:
・決済エラー判定の精度向上による売上upサービス
・ユーザー決済時にイシュアーから承認エラーがでた際に、FlexFactorに決済情報が自動連携(ユーザーはFlexFactorを利用していることを認識せず)され、独自の与信により通過すればそのまま購入できるようにするサービス
・数百のデータポイント(ヒストリーデータやIPアドレスなど)を基に独自のAIを用いて審査
・実績として承認エラーの35%程度を決済承認し、事業者の売上5%向上に貢献
・EC決済の10-15%は決済エラーになると言われており、エラーになると70%は購入を諦めると言われており、市場全体の機会損失は$500Bともいわれる
調達ニュース(2024年10月 調達時点)
https://finance.yahoo.com/news/flexfactor-raises-16-8m-series-153500273.html
お読みいただき有難うございました!今回ご紹介したAmeba、Valdera、Moselle、Vizit、FlexFactorのような事業を検討されている方いらしゃればぜひDMかオフィスアワー等でお気軽にご連絡ください!
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