こんにちわ!New Commerce Ventures大久保です。
直近気になった成長しているコマーススタートアップについて5つpickしてご紹介します!
簡単にはなりますがpickした背景と会社概要をお話します。
1社目は生活必需品のサブスクサービスThe Roundsです。
循環型コマースというトレンドの部類の企業です。容器をリユースするところから、不用品・ゴミの回収事業、配送は、ev・ebikeを利用するなどビジネス全体を通じて循環型の設計となっております。そして、そのビジネスモデルを成立させるために、対消費者では生活必需品のサブスクというマネタイズモデルを採用している点が調和が取れていて面白いです!
設立年:2019年
国:米国
直近調達:24Mドル/24年8月/Series B/
累計調達金額:66Mドル
主要投資家:First Round Capital, FJ Labs, Construct Capital, Pear VC, Moderne Ventures
会社HP:https://www.therounds.co
事業概要:
・生活必需品のサブスクサービス
・月10ドルの会員費で送料無料で注文可能
・食品、飲料、消耗品、ペット用品などの1200SKUの取扱商品
・循環型コマースが特徴。容器やバッグはリユースする(毎週、回収、消毒してくれる)
・食品ゴミの回収事業や不用品(洋服、電池、本など)の回収事業も行う
・ローカル商材活用、e-bike・EVの配送などエコが特徴。100万ポンドの容器廃棄の削減を実現
・ハイパーローカルでフルフィルメント、週一×ルート配送のようにして効率的な物流網を構築
・現在3都市で展開。都市展開、及び、予測アルゴリズムを強化予定
調達ニュース(2024年8月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/08/20/the-rounds-series-b-funding-round-24-million/
2社目はランドリー特化SaaSのCentsです。
領域特化型SaaSのランドリー版の事業となっています。本事業の創業背景にもなっていますが、他産業ほどまだDXが進んでいない領域や、市場が分散構造で個人事業主が多い領域に着目した特化型SaaSは発想法として再現性がありそうです。また、デジタル時代のフランチャイズ事業やM&Aロールアップ事業にも展開可能性がありそうです!
設立年:2019年
国:米国
直近調達:40Mドル/24年8月/Series B/
累計調達金額:75Mドル
主要投資家:Alumni Ventures, 1517 Fund, Bessemer Venture Partners, FJ Labs, Tiger Global Management
会社HP:http://trycents.com
事業概要:
・ランドリー事業者向けのone-stop SaaS
・注文管理(セルフ、ピックアップ&デリバリー、洗濯・折りたたみ…)、POSシステム、配送管理、顧客管理、マーケツール、従業員管理
・アメリカの小売ランドリーの約2700(全体の1/14の規模)が顧客
・今回の調達で決済ハードウェアを手掛けるLaundroworksを買収
・価格は初期コスト$2000~、月$149~
・飲食など他業界が業務効率化が進んでいるのに対しランドリー業界は未着手だった点に着目して2021年に創業
調達ニュース(2024年8月 調達時点)
https://commercialobserver.com/2024/08/cents-proptech-laundry/
3社目は不動産向け会話型AIサービスEliseAIです。
産業特化型会話AIサービスの不動産verの会社です。今回ユニコーンラウンドの調達です。アルゴリズムはコモディティ化していく中で独自の学習データを産業特化で蓄積していくという切り口は一つのパターンかと思います。不動産領域で一定のシェアを取ったあとにヘルスケアにも進出していっているのが面白いです!
設立年:2017年
国:米国
直近調達:75Mドル/24年8月/Series D/
累計調達金額:142Mドル
主要投資家:AvalonBay Communities, Point72 Ventures, JLL Spark, Golden Seeds, Navitas Capital
会社HP:http://www.eliseai.com
事業概要:
・不動産業界向け会話型AIサービス
・不動産オーナーが見込み顧客/既存入居者と行うコミュニケーションを自動化
・電話(音声)、メール、チャットなど多様なフォーマットに対応
・物件の内覧や修理の要望、賃貸契約の更新などを行う
・過去の会話パターンを学習、機会と人間のハイブリットで対応
・27/365の対応が可能で内覧件数を2.2倍に、90%+の業務を自動化、支払い遅延を半分に、といった成果
・350以上の顧客がおり上位50の賃貸企業の70%が顧客。米国の集合住宅の8%で稼働と昨年対比2.5倍の売上成長
・クリニック向けの事業を2023年より開始
・$1B+の時価総額で資金調達
調達ニュース(2024年8月 調達時点)
https://www.businesswire.com/news/home/20240814601656/en/EliseAI-World-Leader-in-AI-Enabled-Solutions-for-Housing-Raises-75-Million-Series-D-Round-Valuing-Company-in-Excess-of-1-Billion
4社目がフランチャイザー向けAIエージェントのHarmonyzeです。
フランチャイズ業界は日本でも市場規模27兆円と10年で30%弱成長している巨大成長市場です。ランドリー向けのように業界特化型のSaaSは多数ある中で、業界特化せずにフランチャイザーという業態に特化したホリゾンタルSaaSという切り口は面白いです!
設立年:2023年
国:米国
直近調達:2Mドル/24年8月/Pre-Seed/
累計調達金額:2Mドル
主要投資家:Bowery Capital, focal
会社HP:https://harmonyze.com/
事業概要:
・フランチャイザー向けAIエージェント
・米国ではフランチャイズ事業者は80万と全ビジネスの10%に及ぶ巨大市場
・フランチャイザーはフランチャイジー管理が煩雑で非効率
・Harmonyzeはフランチャイザー特化型でAIエージェントを提供することで200以上の業務を効率化
・フランチャイズ契約準拠のチェックや支払いの確認、保険の更新など
・飲食店から小売店まで幅広い業界を対象
・24年初めにリリースされ、10%の生産性向上を実現した事例も
調達ニュース(2024年8月 調達時点)
https://techcrunch.com/2024/08/22/harmonyze-built-ai-agents-that-sit-between-franchisors-and-their-franchisees/
5社目はECサイト向けヒートマップツールのHeatmapです。
ヒートマップツールは多数ありますが、”売上”という指標を中心に可視化している点が特徴の企業です。導入企業が増えるほど学習データも増加していきAIによる改善提案の精度も向上していく一種のネットワーク効果的な構造が働くモデルのも面白いです!
設立年:2013年
国:米国
直近調達:4Mドル/24年8月/Seed/
累計調達金額:4Mドル
主要投資家:Quikr, Vine Ventures, Contrarian Thinking Capital, Pari Passu Venture Partners, Hawke Ventures
会社HP:https://heatmap.com/
事業概要:
・ECサイトのヒートマップ分析ツール
・サイトのピクセル単位でヒートマップを作成。経由売上、セッション数、クリック数、CVR、注文単価、ユーザー行動録画など詳細データが可視化可能
・売上データとの紐づけが特徴で売上向上のための500以上のサイト改善案をAIがレコメンド
・2分で導入可能。ほぼ全てのCMSに対応
・価格は年$10MのGMVの規模で月$240程度
・広告費ゼロで既に500に及ぶD2Cブランドが顧客に
調達ニュース(2024年8月 調達時点)
https://www.heatmap.com/blog/we-just-raised-4m
お読みいただき有難うございました!今回ご紹介したThe Rounds、Cents、EliseAI、Harmonyzeのような事業を検討されている方いらしゃればぜひDMかオフィスアワー等でお気軽にご連絡ください!
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▼2023年に資金調達したコマース領域の海外成長企業を紹介するレポート
https://newcommerce.ventures/news/1354/